動画コンテンツの鮮度をいかに保つか
マーケティング・コミュニケーションにおいて動画を活用する事例は、近年増加傾向にある。しかし、公開直後、瞬間風速的に話題が広がっても、その注目を長続きさせることは難しい。ブランドの世界観を凝縮し、丁寧につくり込んだ動画コンテンツの話題性・鮮度をいかに長期的に維持するか──3年目のスノービューティーは、そこを強く意識しながらプロモーションに臨んだという。
「動画の公開を皮切りに、Web/雑誌のタイアップ記事、1回限定オンエアのテレビCM、都内5駅での交通広告など、次々とプロモーションを展開し、Webムービーを度々話題化する流れをつくったのは、3年目の新しい取り組みでした。強力で質の高いコンテンツを、できる限り長期的に話題にしていくために、雑誌・テレビ・交通広告とリアルなチャネルを活用したのです」。
1回限りのテレビCMの放映を心待ちにしたり、交通広告をわざわざ探してSNSで写真を投稿したり……コンテンツをコミュニケーションの核に据えることで、従来型の広告でも、ターゲットにそんなふうに接してもらえるということが、大きな発見だったという。
スノービューティーのコンテンツ活用は、資生堂ジャパン全体としても成功事例の一つとなっている。各ブランドのリーダーにも知見を共有することで、他ブランドのコミュニケーションにも役立てていく流れができるのではないか、と小野氏は話す。
「従来型の『マス広告』が見られにくくなり、若年層にブランドのメッセージを届けるのが非常に難しくなっています。情緒的価値を伝えるコンテンツ活用は、この厳しいコミュニケーション環境を打開する方法の一つでもあると考えています」。
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