一言で刺す「コピージェニック」な商品
それぞれ、あるフックのある言葉によって、つい口に出したくなる違和感と、商品の特徴を一瞬で理解させる伝達スピードを両立しています。
《ガリガリくんコンポタ味》
そのキャッチーさで全国的な話題を獲得した代表例。
あったかいはずのコーンポタージュをアイスの味にするという、「異色」の掛け算によって違和感を打ち出し、その味について物議を醸し出しました。
ほかに、こんな例も。
《近大マグロ》
近畿大学水産研究所が1970年から研究を開始し、2002年に世界で初めて完全養殖に成功したマグロ。
蓄積された研究を想像させる”大学”という要素と、”魚ブランド”という「異色」の掛け算が良い意味での違和感と説得力を生み出しています。
《水曜日の猫》
ビールなのに”猫”。ビールなのに”かわいい”。そんな、『水曜日の猫』という商品も「異色」の掛け算でできている一例です。
《おにぎらず》
これは、『クッキングパパ』(講談社刊)22巻で登場し、一般にも普及したこの調理法。
ノリの上にご飯を置いて、そのまま折りたたむという超簡単なレシピです。
おにぎりは握ってつくる、という作り方の「逆転」という要素が含まれています。
《疲れないハイヒール》
中央大学研究開発機構の山田泰之機構助教授が開発したハイヒール「ヤチャイカ(YaCHAIKA)」も、ハイヒールは疲れるものというという常識を「逆転」しました。
《食べるコスメオイル》
これは、“塗る”を“食べる”にするという、動詞の意外な「転換」がフックになった例です。
アボカドオイルやココナッツオイルなど、コスメオイルにも使われている”健康的”で、食べることのできる油をカラダの中にも摂取して、外も中もオイルでケアしようというコンセプトの商品群が、今年注目の的に。
《睡眠のジェットコースター「客を絶対に寝かせるマッサージ店」》
潔い「断言」は、そのまま受け手が使ってくれる言葉になります。これはヘッドスパ専門店『悟空のきもち』が打ち出すコンセプト。絶対寝かせるという「断言」に加え、睡眠のジェットコースターという効果の比喩も、かなり効いています。
予約を取るのがかなり大変らしいです。(行きたい・・・)