2006年12月に日本に上陸し、東京・新宿の一号店には連日長蛇の列ができたクリスピー・クリーム・ドーナツ。あれから10年が経ち、ドーナツ市場全体は縮小傾向で環境は厳しくなっている。そんな中、11月からの新商品発売を記念し26日、同社は都内で発表会を開催した。
ドーナツの表面を焦がすデモンストレーションも
今回発表された新商品は、看板商品である「オリジナル・グレーズド」をアレンジした「ブリュレ グレーズド」。表面を炙りほろ苦さを出している点が特徴で、ネガティブに捉えられることもある「甘さ」という特徴を抑え、日本人好みの食感に仕上げた。
クリスピー・クリーム・ドーナツは1937年、アメリカで創業。現在は世界27カ国で1100店舗を運営している。日本では2006年に一号店を出店以来、2015年度には64店舗にまで拡大したものの、現在は出店戦略を見直し46店舗にまで縮小している。
このような現状について、岡本光太郎社長は「当初流行のスイーツ好きの方にたくさん来店いただいたが、こうした方々はなかなか定着が難しい。日本で長く愛されるブランドを目指すためには、地域に根ざし、日本の市場にあった店舗運営、商品展開が必要」と分析。キッズスペースを確保したファミリー向け店舗など、地域のニーズに適した店舗運営を進めていく方針を語った。
新戦略の要となる新商品「ブリュレ グレーズド」は、創業当初からの定番商品「オリジナル・グレーズド」をアレンジした。カスタードクリームやアップルフィリングを詰め、さらに表面をバーナーで炙ってキャラメリゼしている。
新商品の魅力について、同社の若月貴子副社長は「これまで、特徴のひとつである砂糖の甘さにフォーカスされ、もうひとつの特徴であるフワフワした生地の魅力が十分に伝わっていなかった。表面を焦がすことでカリッ、フワ、とろりといった日本人好みの食感に近づけることができた」と説明した。
「ブリュレ グレーズド」は、カスタードとアップルの2種類の展開で、1個230円(税込)。一部店舗を除いた全国の店舗で11月1日から販売する。