メーカーとお客様の関係づくりを、今度はネットで
佐々木:営業としての活動は、商品のことだけでなく、他愛もない会話を通じて関係を深めていくことも大切です。そうした関係づくりの重要性を、身をもって体験してきました。お店の人にファンになってもらい、商品を使ってもらうという、一つひとつの積み重ねがコーセーの愛用者を育てることにつながっていきます。
その結果、何年、何十年と買い続けてくれるお客様もいらっしゃいます。長年のファンはご自身が使うだけでなく、人にすすめてくださる場合も多いです。その姿はリアルもネットも関係なく、いわばアンバサダーですよね。
藤崎:アンバサダープログラムの採用は、ご自身の営業経験に基づくものだったのですね。
佐々木:はい、私はそういうメーカーとお客様の関係を現場で見てきたので、リアルな世界でコーセーが長年大切にしてきた「メーカーとお客様の関係づくり」を、今度はネットユーザーとアンバサダーの間で築けないかと考えたわけです。
ネットでコミュニケーションできる範囲はリアルな場よりも広いので、ちょっと大げさなようですが、世の中の女性全員に一歩近づける通販ブランドになり得るのではないかという可能性を感じています。
藤崎:営業の経験から、広告や商品の力だけはない、人間の関係性やコミュニケーションの力を実感し、アンバサダープログラムの可能性に着目されたというのはとても興味深いです。佐々木さんが大事にしている「人の温度感」や「熱量が人を動かす」という考え方に実感が伴っていたのは、そういう背景があったからなのですね。
佐々木:ファンづくりは地道な活動ですが、コツコツ続けていくことで成果を生む姿を店頭で見てきました。そこで、私がアンバサダーの方々と接する時もいつも一人ひとりの方を大事にするように心がけています。人間味というか、最終的な部分での「温度感」は、かなり大事だと思っています。
藤崎:コーセーが対面販売で伸びてきたという歴史を考えれば、今度はアンバサダープログラムでファンと一緒に活動していくことは純粋な進化だと思いました。
佐々木:通販の新しいカタチになれればと思っています。
藤崎:アンバサダープログラムが象徴しているのは顧客中心・顧客志向の取り組みで、今までのマスマーケティングとは違う考え方です。そこで、アンバサダープログラムの担当者の方々は、既存の取り組みから一歩踏み出すイノベーションの担い手だと私は思っています。その意味で、佐々木さんが活動に取り組む背景がわかり感銘を受けました。