ロングセラー商品も新商品も心を動かすための共感づくりが肝
第一部には、ハウス食品 事業戦略本部の宮戸洋之氏が登壇。ロングセラーブランド「シチューミクス」の、シチューをご飯にかけるか否か=「かける派VSわける派」という見せ方で、消費者の共感を醸成しながらシチューの主菜・主食化を目指す戦略について紹介した。
続く第二部には、エスビー食品 商品部の中島康介氏が登壇。顧客の声から生まれた具入り調味料「乙女たちのおかずラー油」の開発背景と、“美味しくて臭わない、食べるラー油”という新たなポジションを確立するまでのプロセスを紹介した。
第三部には、「お買い物もできる雑誌」のようなECサイトとして急成長を遂げている「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムの代表取締役・青木耕平氏が登壇。クライアント企業の商品・サービス、またそれらが生まれた背景を紹介する記事広告コンテンツ「BRAND NOTE」のブランディングメソッドを紹介した。
プロダクトのつくり手の姿を可視化すること、そして「なぜ、その商品を紹介するのか」を丁寧に説明してから、商品そのものに言及すること。読者と良好な関係を築き、共感を醸成する、こうしたコミュニケーションの手法・プロセスが、膨大な量の情報が氾濫するデジタル時代のブランディングにおいて効果的であることを説明した。
第四部では、宮戸氏・中島氏・青木氏に、日本上陸25周年を迎えるキッチンウェア「ル・クルーゼ」のPR&ブランドコミュニケーションを担当するル・クルーゼ ジャポン 堀内亜矢子氏と、今年2月に発売した新商品「moogy(ムーギー)」のデジタルマーケティングを担当するキリン 中村美幸氏が加わり、パネルディスカッションを行った。
「ル・クルーゼ」はこれまで情緒的価値を訴求するブランドコミュニケーションを主軸としてきたが、今年は「百年鍋」のコンセプトを掲げ、「歴史+進化」という機能面の訴求も強化していると堀内氏。戦略の一環で、前出の「BRAND NOTE」を活用し、「ル・クルーゼ」誕生の背景や使い方を丁寧に説明している。
「人々のライフスタイルに即した内容・表現で商品機能を語る」ことが、顧客からの共感につながると話した。同じく「BRANDNOTE」を活用している「moogy」は、商品認知を高めることはもちろん、「コアなファンづくり」も強く意識。商品の開発背景や、中身・デザインへのこだわり、つくり手の顔など、ブランドを形づくる要素を丁寧に紹介することで、深く愛され、親しまれるブランドを目指している。
4つのブランドの話を受け、青木氏は「いち生活者として純粋に驚きを感じたことを、コンテンツの形に編集して紹介することが大事。細部までこだわり抜かれた品質や機能、デザインへの感動、つくり手やブランドマネージャーの本気度に対する驚き―そうしたブランドのキャラクター、パーソナリティを見える化して伝えていくことが、消費者の深い共感につながると思う」と締めくくった。
お問い合わせ
株式会社クラシコム BRAND NOTE 事業担当
brandnote@kurashicom.jp