テレビCMだけでは伝えきれない使用シーンをレシピ動画で訴求
斎藤:「スライス生チョコレート」は、パンなどにのせたり、あるいは巻いたり、包んだり、型を抜いたりとアレンジがいろいろできる新感覚チョコレートです。フィルムから剥がして使えることと、2mmという薄さを実現した点に商品の特長があります。
佐々木:当社がこれまで製造・販売してきた菓子類と比べると、「スライス生チョコレート」は使用法が多岐にわたる点が大きな違い。プロモーションに際しても、菓子とは違った新しい取り組みが必要だと考えていました。2015年9月に一部の地域で限定発売をしていますが、初の全国発売ということもあり、流通様との商談の支援や消費者の方の認知獲得を目的に、テレビCMを出稿しました。
合わせてレシピ動画の制作・配信を検討することになり、「DELISH KITCHEN」を活用することにしました。
斎藤:「スライス生チョコレート」だけでなく、普通の菓子類についても食材のひとつとして活用していただく、レシピ提案が業界的に盛んになっています。そこで、日頃からレシピの研究をしているのですが、その中で「DELISH KITCHEN」を知り、そのわかりやすい動画のスタイルに興味を持っていたことが選んだ理由です。
「スライス生チョコレート」は2015年に限定で発売をした際、SNSを中心に口コミが盛り上がり、ネットとの相性の良さも感じていました。
菅原:私も、この商品の存在を最初に知ったのは、SNS上の口コミでした。
斎藤:この商品の課題は現段階で市場にないスライスタイプの生チョコレートをどのように使えばよいか、見ただけで伝わりづらかったことと、日常的に使ってもらうにはどのように訴求すればいいのかがポイントでした。また店頭ではスライスチーズに埋もれて存在が薄くなってしまうので、店頭販促にも力を入れなければならないと感じていました。
実際に「つくってみよう!」と思わせるユニークなレシピ開発
菅原:商品の抱える課題を元に、今回は3種類のターゲットを設定し、それぞれに合った3種類のレシピをご提案しました。
1つ目は、ユーザーの属性を問わない王道レシピである、「食パンにのせる」というマス広告で発信されているメッセージに合わせた「スライス生チョコフレンチトースト」。
2つ目は、大人世代に向けて、おつまみとして食べるレシピを企画。「スライス生チョコラムレーズンバター」は、ラムレーズンとクリームチーズを混ぜたものを「スライス生チョコレート」で巻いたレシピです。ここでは特に、2㎜という薄さの形状だからこそ実現できるレシピ、という点を意識して開発しました。
3つ目が、子ども向けの「生チョコチーズケーキ」。生地にチョコレートを入れるだけではなく、焼きあがったケーキに「スライス生チョコレート」をのせ、ドライヤーの熱で溶かしてコーティングするというもの。意外な方法で、反響も多く寄せられました。
斎藤:実際に出来上がったレシピ動画を見て、見ているだけで楽しくなる仕上がりになっていると感じました。「ドライヤーが使われるなんて!」って(笑)。社内でも、「面白いね」と評判になりました。ユーザーからのコメントがダイレクトに見える点もありがたかったです。
佐々木:狙っていたテレビCMとスマホ料理動画の相乗効果も生まれました。テレビCMで商品を知り購入した方が、スマホ料理動画を見て実際にレシピ通りにつくってみた、という声が多く寄せられました。
新規性のある商品なので、気になってお試しで買ってくださっていたけれど、使用法が分からず冷蔵庫に入ったままだった。そこに「DELISH KITCHEN」の動画で使用シーンを訴求できたことで、「使う」という次のステップへと行動喚起できた実感があります。
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