Web、出版などのライターが、コピーライティングを手がけることも。
Webメディアでは、ライティングの仕事がどんどん広がっています。ニュースのヘッドライン、取材のまとめ、キャンペーンやイベント告知、求人情報、商品レビュー、ブログ広告、アドワーズ・・・。
私たちが目に触れるWebコンテンツの裏には、ライターの存在があります。そのライターたちが、経験を積んで、広告のキャッチフレーズやボディコピーを書くことも当然あります。
また、専門的な領域、たとえばヘルスケア、コスメ、ファッション、などに特化して書くライターもいます。雑誌など出版物にその仕事がよく登場していますね。名刺には、コピーライターの表記がある方もいます。
そう、女性ライターが活躍しやすい環境が整い始めているように思います。広告会社や制作会社で、コピーライターとしてスタートするだけでなく、さまざまなコピーライターへの道ができ始めているのが今の時代です。
質問がある方がいるかもしれませんね。「ライターとコピーライターとはどこが違うんですか?」という質問。実は、答えはそれほど明快ではありません。そのふたつのジャンルは今後、もっと重なりながら進むのだと思います。
現在、かつ今後を考えると、コピーライティングは、より戦略的に、よりブランディング構築へと向かうように思います。ページやスペースを預かる仕事から、企業(クライアント)そのものを預かる仕事へのシフトが進むでしょう。もうひとつ。仕事の予算がやはりコピーライターの仕事のほうが大きいことも事実だと思います。
これからライティングの仕事の領域は、加速度的に広がってゆくはずです。そのなかから、コピーライターを名乗る人たちがもっと生まれて来ていいと私は考えます。
いずれにしても、なりたい「こころざし」が大切です。狭き門であろうとも。狭き門だからこそ。書くことが好き、考えることが好き、広告が好き、言葉で心を動かしたい、社会を幸せにしたい。そんな「好き」や「〜たい」がすべての行動のもとです。私のようなだいぶベテランも、ぜひ、応援をし続けたいと思います。
未経験の方でも、ポートフォリオは必要です。えっ、そんなの無理!。まぁ、そう言わずに、転職後、すぐにコピーライターになりたい方に、アドバイスをしたいと思います。次回、またお会いしましょう。
黒澤晃 Akira Kurosawa
横浜生まれ。東京大学国史学科卒業。1978年、広告会社・博報堂に入社。コピーライター、コピーディレクターを経て、クリエイティブディレクターになり、数々のブランディング広告を実施。日経広告賞など、受賞多数。2003年から、クリエイティブマネージメントを手がけ、博報堂クリエイターの採用・発掘・育成を行う。2013年退社。黒澤事務所を設立。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。
『これから、絶対、コピーライター』
博報堂で、長年にわたりクリエイティブ人材の、採用・発掘・育成に努めた著者が、門外不出であったコピーライターになるための方法を初公開。「コピーライターになる人は、特別な才能や、資格を持っている人?」。そんな多くの誤解を解きつつ、コピーライターのイキイキとした実像を明らかにします。