最前線で感じる大規模アドプラットフォーム「LINE Ads Platform」のプランニング体験とは

LINEが2016年6月に満を持して投入した運用型広告「LINE Ads Platform」。LINEの持つ圧倒的なリーチ力を武器に、多くの広告主企業に活用されている。これまで2回にわたって、その手ごたえや他社の運用型広告との違いについて聞いてきた。3回目となる今回は、LINE Ads Platformの今後の進化とグローバル展開について、プランニングに携わってきた木原宏樹氏と加藤喜大氏、Jay Lee氏に聞いた。

LINE コーポレートビジネスグループ LINE Ads Platformビジネス推進室 ビジネスプランニングチーム チーフプランナー 木原 宏樹氏(左)、プランナー Jay Lee氏(中央)、プランナー 加藤 喜大氏(右)

LINE Ads Platformの進化の方向性は?

—今回は「LINE Ads Platform」のプランニングに関わるメンバーに集まってもらいました。まずは、これまでのキャリアと現在のお仕事から教えてください。

LINE コーポレートビジネスグループ LINE Ads Platformビジネス推進室 ビジネスプランニングチーム チーフプランナー 木原 宏樹氏

木原:私は現在、プランニングチームのチーフとしてLINE Ads Platformの商品企画からローンチまでをディレクションしています。

これまで約10年間、LINEの持つさまざまなネットメディアのマネタイズを担当し、サプライサイドとして他社のネットワーク広告(アドネットワーク、SSP、Exchange)を活用してきました。そこで得た経験をLINE Ads Platformの立ち上げにいかしています。

LINE コーポレートビジネスグループ LINE Ads Platformビジネス推進室 ビジネスプランニングチーム プランナー 加藤 喜大氏

加藤:新卒でLINEに入社して、3年目になります。これまではLINE Ads Platform含めLINE広告商品全般の営業でした。そのセールス経験を生かして商品企画を担当しています。

Jay:私は日本の大学を卒業後、広告代理店で海外営業を経験したのちLINEに転職しました。現在はLINE Ads Platformのグローバル展開含め商品企画を進めています。

—過去2回のインタビューを通じて、「LINE Ads Platform」が多くの広告主に活用されていることを聞きました。企画サイドからみて、これだけ順調にローンチできた理由はどこにあると考えていますか?

木原: 私個人の考えですが、運用型広告を始める上で重要だった、「リーチ力(ユーザー数)」「媒体力」「開発力」という3つの強みをLINE社が持っていたことだと思います。

我々はメッセンジャー、ニュース、キュレーション、Blog、動画など、日本国内でも最大級のトラフィックをもつ媒体を「自社」でかかえ、LINEについてはMAU(マンスリーアクティブユーザー数)が世界で2億2000万、日本だけでも6400万と巨大なユーザーを抱えています。さらに、社内に多くのエンジニアも抱えており、開発力についても申し分なかったです。アドプラットフォーム事業を立ち上げる上でこれは大きな強みでしたね。

—スタート時から自信があったわけですね。

木原:とはいえ、運用型広告をつくる経験はLINEとしても初めてだったため、もちろん不安もありました。ただ運用型広告に切り替える前(2015年10月から)に実験的な意味も込めてLINEのタイムラインに予約型として広告表示を始めました。結果としては当初の予想を上回り、広告主様が口をそろえて「新規顧客獲得において、限界突破できた!」と言っていただけ、我々も課題解決に寄与できていることに確信を持てました。

加藤:とあるコスメ系のキャンペーンでは「コンバージョンの9割近くが新規獲得ユーザーだった」ということもありました。私もこの時点でLINE Ads Platformのリーチ力の強さに確証をもてましたね。

—LINE Ads Platformは今後、どのように進化していくのでしょうか。

木原:広告主様から良い反応をもらっていると言っても、まだスタートしてから約5カ月。課題点も見つかり、改善するための開発を進めています。来年にかけてリリースする新機能で、広告主様や代理店様の運用コストの改善や、ターゲティングの精度の向上などパフォーマンスをさらに高めていきLINE Ads Platformの潜在能力を引き出していきます。

また、従来からあるLINEの広告商品(LINE公式アカウント等)との連携で LINE内での広告エコシステムをつくっていきたいと考えていますし、第三者とのパートナーシップによるシステム強化もスピードを上げて対応していきたいと思います。アドプラットフォームとしては、まだスタートラインに立ったばかりで課題は山盛りですが、LINEが持つ強みをフルに活用してLINEならではのアドプラットフォームを形成していきたいと思っています。

「LINE Ads Platform」の配信先。LINE上のタイムラインとLINE NEWS、1000を超える掲載先を持つスマートフォン向けアドネットワーク「Hike Network」へ広告が掲載できる。今後も配信先は増やしてく。

加藤:来年以降は、我々の強みでもあるリーチ力をさらに高めるべく、LINEゲームやLINE LIVEなどLINEのファミリーサービスにも広告の掲載面を広げていくことを検討しています。その上でもユーザーファーストであり、なおかつ広告主様目線での広告設計を心がけていきます。

次ページ 「台湾やタイ、インドネシアでの展開は?」へ続く


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