#07 バズの分解 –毎日食いつくべき4つのデータ–

CASE2 : Twitterの場合

例えば11/11、ポッキー&プリッツの日。

STEP1:
投稿の総量は一体どれくらいなのか?
Twitterトレンド欄で、そのSHARE数を確認できます。
2016年は、昼の段階ですでに50万件のツイートが。
おそらく、1日で100万件は優に超えていることが予測されます。

STEP2:
次に、実際に「ポッキーの日」で検索をしてみます。
すると、有吉さんのこんな投稿が出てきます。

1つの投稿で、40万を超えるエンゲージメントを生み出しています。

他にも、様々な切り口で、ポッキー&プリッツの日がお祭り化しています。

STEP3:
この盛り上がりを要素分解してみると、
そもそも11月11日が、ちょうどポッキーっぽい!という「偶然」を捉えて、”ポッキーの日”と命名。オフィシャルから、誰もが「真似」して「参加」しやすい「二次創作」のフレームを大量に提供し、その延長で「予想外」な創作が大量に発生。名だたるインフルエンサーや、企業との「コラボ」、そして「著名人」の投稿がその盛り上がりに燃料を注いだ…

こういった要素が抽出されます。

以上のようなSTEPを経て、

– 「偶然」「真似」「参加」「二次創作」「予想外」「コラボ」「著名人」という要素が詰まった活動体が
– 1日で100万件を超える投稿を誘発し、
– その中の1投稿は30万エンゲージメントを超える程波及した

というデータセットが蓄積されます。

この2つのケースはあくまでざっくりとした例であり、立場によって見るべき指標、見るべきコンテンツは変わってきますが、このように、定性的な解釈と、定量的な結果を組み合わせた「データセット」を、数千、数万件の束としてストックされたとき、初めて予測の精度を高めることが出来ます。いちいち記録などはせず、あくまでも肌感としてこのデータを脳内にストックし続けることが、誰もが始められる最初のデータの向き合い方なのではないかと思います。

おそらくこの感覚が一番強いのは、SNSの「中の人」や、「編集者」「メディア運用主」の方々だと思います。コンテンツを排出し続け、嫌が応でもデータを浴びている。そのデータのシャワーが、広告に携わる全ての人に必要になってきているのではないでしょうか。

ただし、中にはバズの傾向を逸脱した超巨大バズというものが存在しますし、これを書いてる僕自身も、100%バズを予測するということが到底無理です。あくまでも、予測の精度を高める、という意味で、この感覚の補正を続けることに意義があるのだと考えています。

以上、バズをいかに作るか、という側面から、第一歩としてデータとどう向き合うか、という話をまとめました。ただ当然のごとく、データの深みはこんなものではありません。さらに細かいデータをいかに読み解き、クリエイティブにつなげていくか、というプランニングの未来については、また改めて「続・バズの分解」にて、まとめたいと思います。

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栗林和明(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)
栗林和明(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)

1987年生まれ。上智大学経営学科卒業。専門は「バズ」。 話題の“量”、“質”、そして“精度”を高める。 過去100社以上のソーシャルメディアマーケティング、 インタラクティブプロモーション施策を担当し、直近2年で獲得映像再生数は8500万回超。主な担当作品は縦型スマホジャックMV「RUN and RUN」、日産自動車「Intelligent Parking Chair」「#猫バンバン」、オーストラリア政府観光局「GIGA Selfie」、AKB48「LOVE TRIP」MV、「COGY」ブランドムービー、サントリー「忍者女子高生」、など。 カンヌライオンズ Gold、BOVAオンライン動画コンテスト Grand Prix、メディア芸術祭審査員特別賞、電通賞最優秀賞、ACC Silverなど
https://www.facebook.com/kazuaki.kuribayashi

栗林和明(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)

1987年生まれ。上智大学経営学科卒業。専門は「バズ」。 話題の“量”、“質”、そして“精度”を高める。 過去100社以上のソーシャルメディアマーケティング、 インタラクティブプロモーション施策を担当し、直近2年で獲得映像再生数は8500万回超。主な担当作品は縦型スマホジャックMV「RUN and RUN」、日産自動車「Intelligent Parking Chair」「#猫バンバン」、オーストラリア政府観光局「GIGA Selfie」、AKB48「LOVE TRIP」MV、「COGY」ブランドムービー、サントリー「忍者女子高生」、など。 カンヌライオンズ Gold、BOVAオンライン動画コンテスト Grand Prix、メディア芸術祭審査員特別賞、電通賞最優秀賞、ACC Silverなど
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