ヤフーが検索で描く未来像とは?
—スマートフォンでの検索が増える中で、ユーザーがインターネット検索に求める役割も変化しているのでしょうか。
西田:はい、これまでの検索はパソコン中心でしたが、現在はスマートフォン中心となり、その役割もシフトしています。
スマートフォンはパソコンに比べて画面が小さいということもあり、ユーザーは「検索して情報を得るまでの時間をできるだけ短くしたい」と考えるようになりました。さらに、ユーザーはスマートフォンでニュースやSNSを観たり、動画やゲームを楽しむことに忙しい。そのような中で、以前のように“検索結果に10本のサイトへの入り口が表示される”といった世界観では、煩わしく感じてしまうこともあります。
そこで近年、私たちは検索結果にできるだけ「答え」そのものを表示するように取り組んできました。例えば、「港区 天気」と検索すれば今日の天気や気温、降水確率に加えて、週間予報やさらには雨雲レーダーなども一目で確認できます。他にも、「東京タワー 高さ」と検索すれば端的に「333m」と表示されますし、「東京都 人口」と検索すれば「1362万(2016年7月31日)」と表示されます。
—たしかに、ユーザーが回答を得るまでの時間が圧倒的に短縮されますね。
西田:はい。我々は検索サービスを、“答え”だけでなくユーザーの“行動”にまでつなげたいと考えています。
たとえば、週末に食事をするレストランを調べる場合、検索して店を調べた後に、これまでは予約のために一度検索画面を閉じて別のアプリを立ち上げていましたが、今は検索結果からそのまま予約できるようにする取り組みを始めています。病名や症状での検索では、検索結果を表示するだけでなく、ユーザーが医師に直接相談できるような仕組みも検討中です。
検索結果をユーザーの行動レベルにまで踏み込むことで、「検索」をあらゆる情報の入口にしたいと思っています。
—検索機能の進化に伴い、ヤフーの検索連動型広告「スポンサードサーチ」も変化しているのでしょうか?
齋藤:そうですね、広告に求められることも、基本的には西田が話した検索機能と同様に「先にある情報がわかりやすいこと」です。ユーザーは広告に対しても、より少ないアクションで、より適切な答えが返ってくることを期待しています。
そこで、検索した「エリア」「時間帯」「デバイス」「キーワード」などによって適切なユーザーに絞り込んで広告を出し分けるなど、ターゲティング機能の精度を高めていくことが重要だと考えています。
—広告にも、ユーザーの行動に最適化していくことが求められているというわけですね。
齋藤:はい、そしてそれは広告プロダクトだけではなく、検索サービスと力を合わせて取り組むべきテーマだと思っています。検索そのものの使いやすさの向上は、結果的に広告がユーザーと広告主に与える効果にもプラスに働くという考え方です。
その上で広告プロダクトとしては、広告が最大のパフォーマンスを発揮できるように、スポンサードサーチの“機能群”を拡充させています。同時に、それらの機能を広告会社や広告主に活用してもらえるように営業支援も進めています。
—何か一つの機能を開発することで、効果が格段に向上するというわけではなく、複合的な施策が必要ということでしょうか。
齋藤:はい、それがこの「スポンサードサーチ」という商材の奥深さだと思っています。広告主も複数の機能を組み合わせて効果を見ながら、常に改善していくことでゴールに近づいていくのです。
そして、何よりも重要な点は、機能拡充の結果、売上だけでなく、スポンサードサーチの広告効果が向上していくことです。なぜなら、これこそが「ユーザーが求める検索結果を、広告で実現する」という、ユーザーと広告主双方の高い期待に応えられた状態だと考えるからです。
(お問い合わせ)
ヤフー株式会社
〒102-8282
東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー
URL:http://www.yahoo.co.jp/