#08 バズの合体 –マスがネットを騒がす条件–

マス発ネットの特大バズケース

マス発でネットバズを巻き起こすためには、前頁の3つの違いを意識し、マスの弱点は補い、強みを伸ばすことが重要。つまり、


①ネットに合う尺のコンテンツにする
②短尺の中でコンテンツ力を最大化し、シェアされやすい形にする
③しっかり日本独自の文脈(著名人や流行)を最大活用する

という、この3つがポイントになるのではないか。
そんなポイントを見事に抑えた好事例がこちら。

■TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」恋ダンス

ドラマ全体をシェアしてもらうのは難しい、
でも、2分のエンディングなら気軽に回りにもシェアできる。そんな、
①ネットに合う尺のコンテンツにすることで、見事にバズ化させた例がこちらです。

さらに、あまりにも可愛いと日本で大人気の新垣結衣さんと、星野源さんを中心としたダンスは、③日本独自の文脈(著名人)を最大活用しています。

そして極め付けはやはりダンス。
かわいいダンスが演者さんたちの魅力を引き出すと同時に、ちょっと難しい、でも頑張れば真似ができそう、そして皆でおどると楽しそうな振り付けが、②短尺の中でコンテンツ力を最大化している最大の要素です。

ほかにも
■「ENGEIグランドスラム」で話題沸騰となった『PERFECT HUMAN』や、
  バカリズムさんのコント『女子力』
■「オモクリ監督」で人気を博したロバート秋山さんの『願い』

などなど、これらは、すべて①〜③のポイントを押さえています。

広告では、こんな例が。

■au 「海の声」 フルver.

au三太郎シリーズはそもそも大人気で、十分なバズが生まれているものの、それでもCM自体がシェアされるのは中々ハードルが高い状況です。
そんな中、完全に“音楽映像コンテンツ”に特化したこの映像は、なんと6300万回を超えるほどのヒットに。

以上のように、

テレビ番組であれば、番組すべてをバズらせようとするのではなく、一部がつままれて、ネットにアップされることが前提の、「ちょうどおいしい部分」を設計した上で、番組をつくってみてはどうか。

一方CMであれば、しっかりメッセージを伝えるための15秒と並列で、完全に「コンテンツ」として振り切った時にバズが最大化される、そんな両輪に対応した表現を設計することが、マスとネットの溝を埋めるのではないかと考えます。

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栗林和明(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)
栗林和明(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)

1987年生まれ。上智大学経営学科卒業。専門は「バズ」。 話題の“量”、“質”、そして“精度”を高める。 過去100社以上のソーシャルメディアマーケティング、 インタラクティブプロモーション施策を担当し、直近2年で獲得映像再生数は8500万回超。主な担当作品は縦型スマホジャックMV「RUN and RUN」、日産自動車「Intelligent Parking Chair」「#猫バンバン」、オーストラリア政府観光局「GIGA Selfie」、AKB48「LOVE TRIP」MV、「COGY」ブランドムービー、サントリー「忍者女子高生」、など。 カンヌライオンズ Gold、BOVAオンライン動画コンテスト Grand Prix、メディア芸術祭審査員特別賞、電通賞最優秀賞、ACC Silverなど
https://www.facebook.com/kazuaki.kuribayashi

栗林和明(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)

1987年生まれ。上智大学経営学科卒業。専門は「バズ」。 話題の“量”、“質”、そして“精度”を高める。 過去100社以上のソーシャルメディアマーケティング、 インタラクティブプロモーション施策を担当し、直近2年で獲得映像再生数は8500万回超。主な担当作品は縦型スマホジャックMV「RUN and RUN」、日産自動車「Intelligent Parking Chair」「#猫バンバン」、オーストラリア政府観光局「GIGA Selfie」、AKB48「LOVE TRIP」MV、「COGY」ブランドムービー、サントリー「忍者女子高生」、など。 カンヌライオンズ Gold、BOVAオンライン動画コンテスト Grand Prix、メディア芸術祭審査員特別賞、電通賞最優秀賞、ACC Silverなど
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