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DaiGoがオックスフォードに惹かれる理由
能勢:本日のデザイントークのテーマは「コンサルティングの心理学」です。なぜそのテーマでDaiGoさんと房さんのコンビなのか、まずは自己紹介を兼ねてお話しいただけますか。
DaiGo:日本テレビ系列のテレビ番組「アナザースカイ」で、オックスフォード大学に行く機会があり、同地に当時在住していた房さんを紹介してもらいました。房さんは大学との関係が深く、そのお陰で普段は入ることのできない施設も案内してもらえました。それ以来、仲良くさせてもらっています。
房:オックスフォード大学は、アメリカの大学に倣い、10年ぐらい前から卒業生を中心に寄付を集めて、さまざまな研究施設を設立しています。現在、発生生理学及び再生医学研究所の設立が決定されており、私はそのスペシャル・ストレートジック・アドバイザーという肩書をもらっているのです。簡単に言えば、寄付を手伝っているのです。
DaiGo:僕の自己紹介をサクッとしますね。最近の小学生は、僕がババ抜きをするお兄さんだと思っているようですけど、ババ抜きの専門家ではございません(笑)。
本職は心理学を使って、プロダクトやオンラインサービスの開発など企業のお手伝いをすることです。また、医療系大学の特任教授としてリハビリテーション心理学専攻を開設したり、本を書いたりもしています。今日は房さんと僕でプレゼンテーションや、コンサルティングに生きる心理学的な考え方やテクニックをご紹介したいと思います。
房:よろしくお願いします。
DaiGo:まずは房さんと僕の共通の話題であるオックスフォード大学の話からです。僕はオックスフォード大学にすごく惹かれていて、将来的には移住したいと思っています。
オックスフォード大学の「学びに対する考え方」は、これからのビジネスに生きるはずと考えているからです。最近、「AIが発達すると無くなる仕事」というニュースを見ませんでしたか?このニュースは、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の論文『未来の雇用』からの引用です。仕事を「AIにとって代わられる仕事」と「人間に残る仕事」に分けており、オリジナリティが必要な仕事は残っています。実はオックスフォード大学ではオリジナリティを発揮するための教育を何百年も前から行っています。
房:オックスフォード大学では、あと数年もすると、大学1年生で学んだことの半分が4年生になった時には陳腐化していると言われ始めています。今まで常識だと思われていたことが、今よりももっと早いスピードでひっくり返るようなことが起きていくというわけです。
ただし、いくらAIでも人間がプログラミングしなければ解決策は出せません。例えば、人間には「気づく」という能力があります。世の中の人が常識だと思っていることに対して、「それは違うのではないか」と思う行為です。オックスフォード大学の副学長と話している時に、「人類史上で2つの大きな気づきがあったが、このような気づきをAIができるようになるには、まだまだ時間がかかるだろう」と言っていました。この2つの気づきとは、コペルニクスの地動説と、ダーウィンの進化論のことで、彼らは、当時の世界の常識と真逆のことが真実であると気づいたのです。ただし、人間自身もまだこの「気づき」のプログラムを解明できておらず、AIにプログラミングしようがない。オックスフォード大学では、こうしたオリジナルな考え方を教育で実現しようという試みを行っています。