7億人にアクセスできるプラットフォーム
インターネットの世界では老舗ともいえる「AOL」だが、その姿は近年大きく変貌を遂げている。現在、「ハフィントンポスト」や「テッククランチ」「エンガジェット」など人気のニュース・情報サイトを傘下に置くほか、ハリウッド俳優などを起用した動画コンテンツの制作・配信にも注力している。
こうした強いコンテンツをもとに展開している広告事業がメインの収益源だ。さらに、2015年には米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズの傘下に。その後もマイクロソフトの広告事業部門を統合したり、今年はベライゾンによる米ヤフー買収が発表されるなど、体制の強化を進めている。従業員数はグローバルで7000人。日本法人については、これまで米AOLと三井物産による合弁で運営していたが、このほど米AOLの完全子会社として再スタートした。
「『カルチャー&コード』こそがAOLの基盤」–海外部門の責任者であるグラハム・モイジー氏は説明する。「カルチャー」とは有力メディアブランドに代表されるコンテンツビジネス、「コード」とはテクノロジーに基づく広告・マーケティングプラットフォームの提供を指す。現在、AOLのプラットフォームを通じて世界7億人にアクセスできるという。「今後もM&Aを通じて、近いうちに10億人、2020年までに20億人規模に拡大させたいと考えています」(モイジー氏)。
テーマは「いかに既存の枠組みを超え優秀なチームと手を組むか」。社外からリソースを調達し、パートナーと上手く組むことで、広告主企業も広告制作会社も勝てる時代が到来。
広告の枠組みを超え、新しい形の事業やプロジェクトを展開する、米国先進企業に学ぶ人気企画。
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