人が入れる温泉として世界一の湧出量を誇る大分県別府市。同市は、“温泉都市・別府”の魅力を国内外に向けて広く発信すべく、新たな市のビジョンとして「遊べる温泉都市構想」を策定し、取り組みの第一弾として「遊園地」ならぬ「湯〜園地」計画を11月に発表した。
「湯〜園地」とは、その名の通り、温泉につかりながら楽しめるアミューズメント施設。メリーゴーランド、ジェットコースター、観覧車と、あらゆるアトラクションが湯船になるという、前代未聞の遊園地だ。
計画の発表に合わせて、この「湯〜園地」のイメージを描き出したWeb動画「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」を公開した。
「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」。動画の公開から8日目に、再生回数200万回を超えた。
ただイメージ動画を制作しただけではない。同市では、この動画を世界初の“再生数連動型公約ムービー”と位置付け、YouTubeでの再生回数が100万回を突破したら、市内に「湯〜園地」を実際につくるという公約を掲げた。
動画の狙いについて、クリエイティブディレクターの西田淳氏は次のように話す。「温泉で有名な大分県の中でも、別府は温泉湧出量が圧倒的に多く、使い切れないお湯はそのまま海に流しています。そんな『お湯が余っている街』にしかできない温泉エンターテインメント動画を制作し、別府市の『遊べる温泉都市構想』を視覚化、国内外の観光客にアピールしようと考えました」。
「湯〜園地」というコンセプトについては、「“温泉都市・別府”を国内外へアピールする役割を担う以上、動画をできるだけ多く人に見ていただく必要があります。『100万再生』という目標を共有することで、動画の内容だけでなく、別府と視聴者との“共犯関係”をつくる過程をも話題化したいと考えました。話題化のフックとして、豊富な湯量だからこそできる、今まで誰も見たことがない温泉の使い方について検討し、市長とのディスカッションを経て、“遊べる温泉都市構想”を象徴できる『湯〜園地』というコンセプトにたどり着きました」とクリエイティブディレクターの島津裕介氏。
大分県では2015年、温泉の中でシンクロナイズドスイミングを行うというユニークな動画「シンフロ」を公開し、注目を集めた。
「シンフロ」に音楽監督として携わり、今回の動画では全体のプロデュースを担当した清川進也氏は、「『シンフロ』を通して別府市の方々との交流のきっかけを得ました。その後、『シンフロ』を成功事例として、別府市オリジナルのPRコンテンツをつくることができないかと、市長や別府市観光課と協議を重ね、今回の動画制作に至りました」と話し、「シンフロ」が今回の動画を制作するきっかけになったことを明かした。
「湯~園地」の動画は、公開4日目で再生回100万回を突破し、8日目に200万回を達成。国内外合わせて述べ600以上のメディアで報道された。
PRを担当する村木みちる氏は「YouTube上では動画に対して2万5000件以上の高評価をいただき、ソーシャル上でも多くの好意的な声が発信されました。『実現したら行きたい』『楽しみ』『面白い』といった声に加え、『別府に行きたくなった』『別府は元々面白い』という別府市の魅力にも言及いただいています。『湯〜園地』の実現に向けても、多くの応援の声や『何かできることがあれば』という協力の申し出が寄せられつつあります」と手応えをのぞかせる。
別府市役所観光課は、「まずは公約を実行すべく、『湯〜園地』実現に向けて動き始めました。1年以内に、何らかの形で皆さまに披露できると思います。これを機に、さらなる観光客獲得に向けて、『湯〜園地』に絡めたプロモーションを計画していく予定です」と話した。
スタッフリスト
- 企画制作
- Invisible Designs Lab+ドリル+電通
- 全体プロデュース
- 清川進也
- CD
- 西田淳、島津裕介
- PR
- 佐々木貴明
- PM
- 和田和也、元道啓介、辻 慧介、山本祥二郎
- 演出
- 小原 譲、小田桐浩希
- 撮影
- 西垣 悟、原賀俊輔、畑井健二
- 照明
- 和田一章、長尾圭悟
- 録音
- 右田守起
- HM
- 酒井愛子
- 美術
- 神原哲哉
- タイトルロゴデザイン
- いよりさき
- 音楽
- 清川進也
- 出演
- 長野恭紘別府市長、別府市役所の皆様、別府市の皆様
- 温泉配送
- 小林直輝、吉弘雄三
- カラリスト
- 芝山仁也
- 編集(オンライン)
- 森永哲弘、鐘ヶ江あいび
- マルチオーディオ
- 松本和久
- PR(広報)
- 村木みちる、久保孝徳、吉本妙子
「別府市」に関連する記事はこちら