デジタルマーケティングは「データこそすべて」
—アドテクノロジーに黎明期から関わってきたアダム・バーグさんから見て、現代のマーケターが抱えている課題とは何でしょうか?
カスタマージャーニーにおいて、広告がどこで効力を発揮したのか、正確に把握することが難しい点ではないでしょうか。最終的に商品が購入されたとして、それがどのタイミングでどのような広告に接触したことによって起きたのか、理解しているマーケターはまだまだ少ないように思います。
例えば、デジタル広告の効果測定において、最も重視されている指標はいまだに「クリック」です。しかし、デジタル広告が生まれた15年前に広告効果を測る指標として初めて登場したのがクリックであり、現在はその考え方自体が古いものになっています。
—どのように古くなっているのでしょうか。
我々の調査では、クリックの85%を担っているのはインターネットユーザーのわずか8%に過ぎないことが分かっています。つまり、クリックを重視している限り、ネットユーザーの8%程度にしか影響を及ぼせないのです。それでは、広告の効果を正しく理解できません。残りの92%のネットユーザーにアクセスするためにも、クリック以外の指標を見ることが重要になります。
—それは、どのような指標でしょうか。
キャンペーンの目的によります。デジタル広告には、多くの指標が関わってきますが、たとえばカスタマージャーニーを分解して購買意欲や情報への深度などから購買ファネルへ当てはめた場合、最下部の「購入」の段階では、やはりクリックは有効な指標になるでしょう。しかし、ファネルの上部にある「認知」を狙う領域では、動画の再生回数やWebサイトにおける滞在時間、または広告を見た後にどのような検索をしたのかといったデータが重要になります。
—日本でも近年、マーケティングにデータを活用することの重要性が叫ばれるようになりました。データを具体的な施策につなげるためには、どうすればよいのでしょうか?
はい、デジタルマーケティングにおいては「データが全て」です。カスタマーのデータを通じて、世の中を理解することが最も重要になります。それらは、われわれAdRollが提供するすべてのプロダクトの基盤になっています。具体的にデータをどのように活用するべきか、説明しましょう。
例えば、AdRollでは「AdRoll Retargeting(リターゲティング)」というプロダクトを持っています。これは企業のサイトに訪問したことはあるもののコンバージョンしていないユーザーを狙って広告を出すことができるソリューションです。さらには、「SendRoll*1」というプロダクトもあります。これはeメールのリターゲティングソリューションで、Web/Socialとメール双方のチャネルをまたいでユーザーへのメッセージが配信可能です。
これら2つは、すでに企業ブランドを知っているユーザーという企業にとって購入に結びつきやすい層に対して広告を出していくソリューションになります。
—データを活用することでパーチェス・ファネルにおける顧客を理解し、それぞれに最適なアクションができるわけですね。デジタル広告は“刈り取り”の部分、いかに購入につなげるかが得意なメディアですよね。
そうですね、たしかにファネルの下部で活用されるケースが多いのですが、上部の「認知」を担うためのプロダクトもあります。
2016年にAdRollが提供を開始した「AdRoll Prospecting(TM)(プロスペクティング)」は、広告主は顧客データを自社データとしてプールして、似たような属性を持つ膨大な量の潜在顧客に対して広告を出すことができます。そのことで、既存顧客に近い属性を持つ潜在顧客に商品のことを知ってもらったり、興味を抱かせたりすることができますね。
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