—パーチェス・ファネルにおける「認知」から最終段階の「刈り取り」までを考えることが重要というわけですね。具体的に、企業の成功事例を教えてください。
アデランス社の事例をご紹介します。冒頭でお話した通り、クリック以外の指標に目を向けることを意識した施策を広告会社、第三者配信アドサーバー(3PAS)ベンダーと共に設計しています。例えば、ファネル上部で広告がタッチポイントになった見込み客のビュースルー数を把握することで、効果的な流入経路を見極めることができ、最終的にコンバージョン率を従来のクリック指標の施策と比べて6〜7倍にまで高め、CPAを33%減少させることに成功しました。
また、2016年11月に日本で最大級のeコマース事業者である「楽天市場」へのマーケティングプラットフォームの提供を開始いたしました。約4万4000店舗を擁する巨大市場で、各店舗の販売力強化に向けた広告ソリューションを提供しています。この提携は今後、両企業の技術とサービスをさらに洗練させていく上で、大変意義のあるものだと考えています。
—2015年に日本で事業展開をスタートして、わずか2年で数多くの日本企業と取り組みを開始しているのですね。短期間でこれだけ顧客の数を増やすことができた理由はどこにあるのでしょうか。
はい、AdRollはすでに日本国内で約1000社と取引しています。eコマース企業はもちろんのこと、BtoB、ファイナンス、金融系、旅行会社など、非常に幅広い業界にご活用いただいているのが特徴です。売上高における対前年成長率は652%と、グローバルで見ても急速に躍進しています。
この理由の一つは、日本は世界の広告市場からみても、成熟した巨大な市場であるということが挙げられます。また、AdRollのように様々な業種、事業規模に対応するフレキシブルなソリューションを必要としている企業が多く存在していたということです。
さらに、日本上陸において重要と考えていた組織作りという観点では、元Google日本法人で国内外の新製品やソリューション拡大に寄与した香村竜一郎をリーダーとして迎えられたことが大きいでしょう。日本支社のメンバーと話をしていても、唯一無二のユニークな人材がそろっていることを感じます。テクノロジー、市場、人材の全てがそろっているのが日本のAdRollですね。
—日本市場ではすでに競合企業も進出していたと思います。他社にないAdRollの強みはどこにあるのでしょうか。
競合優位性は2点あります。1つ目は「透明性」です。ユーザーの方々の属性や嗜好性を分析したデータを膨大に蓄積することで、クライアントに対してきめ細やかなレポートを提出できます。通常では難しい「どのウェブサイトに、どのような広告が掲載されていたのか?」といった細部まで精度の高い情報をご提供できます。
2つ目は「コントロール性」が挙げられます。我々のソリューションを活用することで「いま何が起きているのか?」だけでなく、実際のユーザーの行動までわかります。広告主や広告会社の担当者は、どんな形で結果を生み出せるのかをコントロールできるのです。
—最後に、今後の展望について教えてください。
市場には、いまだ手つかずのまま眠る、多くのチャンスがあります。それらをビジネスとして発掘するためにも、AdRollのプロダクトの有用性をもっと広めていかなければと考えています。なぜなら、これらは非常にきめ細やかなコントロールが可能ですが、十分に活用してもらうためには相応の知識が必要になるからです。
今後はトレーニングの機会なども広げ、よりお役に立てるようにしていきたいと考えています。
お問い合わせ
AdRoll株式会社
〒106-0032 東京都港区六本木6-1-24 ラピロス-六本木 3F
TEL:03-6721-0800
Email:japansales@adroll.com
URL: www.adroll.jp