コルクの社員評価ポイントは「ツイッターフォロワー数」のみ(ゲスト:佐渡島庸平さん)【前編】

「ツイッターのフォロワー数を増やすこと」は「面白い主人公を考えること」と同じである

佐渡島:うちの新人漫画家が・・・。

権八:あー、いま育ててらっしゃる。

佐渡島:そうなんですよ。羽賀くんが「自分のマインドにとって役立つ言葉」みたいな感じでダルビッシュの言葉を紹介してたんです。ダルビッシュの言葉はすごくて、ダルビッシュが20歳のときに、「自分が40歳になって、落ちぶれてダメな投手になって、神様にお願いして、20歳になったばかり」と思って、毎日を過ごすと。

権八:へー、すごいな、あいつ!

澤本:知り合いか(笑)。

権八:知らない(笑)。ダル、すげーな。

佐渡島:そうしたら時間を無駄にしないじゃないですか。羽賀くんがそのツイートをしたら、1万リツイートぐらいいったんですね。そのときに羽賀くんに「ダルビッシュに乗っかれ。あやかったほうがいい」と言ったら、彼がダルビッシュの1ページマンガを描いたんです。その1ページマンガをダルビッシュが見つけて、フォローしてくれて、さらにDMで「羽賀さんの絵を僕のツイッターのアイコンにしていいですか?」って。

権八:えー!

佐渡島:それで今、ダルビッシュのアイコンが羽賀くんの絵になってるんです。

権八:すごいですね。

佐渡島:だから、やっぱりネットは面白いと思いましたね。

権八:佐渡島さんとしては「やった!」と。

佐渡島:「やった!」と思ったんですけど、羽賀くんのフォロワーが50人ぐらいしか増えなくて。

一同:(笑)

佐渡島:1万リツイートあってもそうで。リツイートによってフォロワーが増える人と増えない人がいるじゃないですか。そこらへんはテクニックだと思っていて、プロフィールの書き方やそういうものを全部、会社として仕組み化していこうとしてるんです。

澤本:プロフィールの書き方から仕組み化しようとしている?

佐渡島:そうですね。ツイッターにキャラがないとフォロワーは増えていかないので。キャラがわかりやすく見えるということをみんなで話し合ってます。実は作品の物語をつくることもキャラをしっかりとブレないようにすることなので、結局はツイッターをどうやって運営するかの議論が面白い主人公をどうやってつくるかと全く同じ議論なんですね。

澤本:なるほど。

佐渡島:だからツイッターについて延々と議論をしているだけで、物語づくりの全部の議論が行われると思っています。

澤本:今、抱えてらっしゃる方々は作家さんや漫画家さんじゃないですか。でも、「ネット上でフォロワーを増やしていくことをきちんとテクニックとして教えて、一緒に開発していく」という理屈だとすると、業種を限らなくてもいいですよね。

佐渡島:限らなくてもいいですね。だから、AR三兄弟の川田さんと一緒に仕事をしてみたり、しんどうこうすけさんというリアルゲームをつくる人、アナログゲームクリエイターみたいな人と一緒にやろうかと言ってますね。

澤本:そういう人達は向こうから来るんですか? それとも佐渡島さんが「やろうよ」と?

佐渡島:川田さんの場合は僕がインターネットというものを知りたくて。川田さんと知り合ったのは5年前ですけど、彼はAR三兄弟と言ってるぐらいARに対する知識があるから、「VR、ARが今後どうなるのか」ということを1年間近く質問し続けていました。それで一緒にやってみたいと思ったんですけど、しんどうさんはあっちからうちに所属したいと。

次ページ 「「SNS上で活躍するクリエイター」をマネジメントする、世界に他にない会社」へ続く

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