インフルエンサーネットワークはまるで女子校
そうしたオペレーションミスをぐだぐだ言うつもりはなく、そのイベントで気付いたことがいくつかあったのです。
まず、1つはインフルエンサー同士のネットワークを甘んじない方がよいということ。インフルエンサーの女の子たちはおよそ18歳~25歳前後の女の子たち。毎日のようにどこかのイベントに呼ばれ、それぞれが友達の友達を紹介しあい、情報をシェアする様子は、それはまるで女子校のよう。
どこの業界も狭いと言われるかもしれませんが、インスタグラマーを活用したイベントも毎日行われているため、彼女たちが会う頻度はかなり高く、横のつながりはとても強固です。
帰り道、イベントで一緒になったインフルエンサーの子たちに話すと、「私も怒られたんだよね。そういうイベントだと思ってなかったのに…」「あ、そういえばこないださ、ここの会社にこんなことされて…」などとインフルエンサーエージェントの噂話や悪評が、出るわ出るわの数々。そう、まるで女子校ですからね。想像つきますよね?
インスタグラマーにエージェントは必要ない
彼女たちの結びつきの強さとともに、もう1つ実感したことがあります。それは、インスタグラマーにとってエージェントは、そもそも必要のないものであるということ。
ある1人のインフルエンサーが、最近インフルエンサーエージェントから良い仕事が入ってこなく、所属しているメリットもあまりなかったので、所属先を辞めたという話をしはじめました。
周りのインフルエンサーたちからは「へー」という反応だけ。彼女たちはSNSで女の子たちに支持されて、人気が出ている人たち。セルフブランディングができ、SNSを上手く活用して、仕事もしてきた人たちです。
クライアントからInstagramを通じて直接DMをもらい、仕事を受けることは今でも多くあります。芸能人に芸能事務所が必要なのとは、話が違います。彼女たちにとって、よほどメリットがない限り、インフルエンサーエージェントに専属で所属する必要はありません。
メリットを感じてもらいながら、エージェントをし続けることは、もはや難しいことなのかもしれません。
エージェントのあり方も変わってきている
あるインスタグラマーは、事務所と契約をする選択をしたと話します。
彼女は、今までの自分の活動をきちんと理解し、自分のやりたい仕事のサポートをしてくれる事務所に所属することを選択したそうです。そして今まで通り、自分自身で仕事のできる部分は事務所を通さない契約をしました。反対に、こういう戦略でいきたいから、これをやってくれというスタンスの事務所は、全て断ったそうです。
SNSの台頭で「個」が強くなっていく時代の中、エージェントのあり方や考え方を見直す必要もでてくるのではないでしょうか。
海外のように、才能あるクリエイターやインフルエンサー、アーティストなどは自分自身でマネージメントやサポートできる事務所や人を選択し、仕事に見合った報酬を払うようになっていくかもしれません。SNS発のインフルエンサーたちにとってエージェントは必要ないかもしれないですし、真の意味で、彼女たちのサポートをできる人や組織やはまだまだ数少ないのかもしれません。