新曲『松尾芭蕉』が生まれた背景
中村:コムアイさんは最近、広告の分野にもちょいちょい顔が見えてきたりして。プリウスを試乗して、それをテーマにした曲『松尾芭蕉』を出されたり。
コムアイ:最初はそういう企画じゃなくて、「コムアイの声をボカロとして使わせてもらいたい。アニメのCMをつくりたい」という話だったんですけど。それだったら私が歌えばよくない?それが車の良さとどう繋がるのかな?と思って。そのときにちょうどPVをつくりたくて、一緒に別のことができたらいいなと思ってマネージャーがぶっこんだら、「面白いですね」って。企画がグルルンと変わって、ああいうことになったんですよ。そんなこともあるんですね。
澤本:それで本当にケンモチさん(注:水曜日のカンパネラのメンバーのケンモチヒデフミ)と試乗して、そのときの印象で詞を書いて?
コムアイ:そうです。作詞の前に行きました。
中村:プリウス乗ってみて、「松尾芭蕉って感じだよねー」という話になったんですか?
コムアイ:そう、日本車だから日本人の偉人がいいなと思っていて。伊能忠敬、葛飾北斎など、いろいろな候補で迷って。伊能忠敬は旅みたいな感じで車に合いますよね。
権八:日本地図の人だものね。
コムアイ:松尾芭蕉は「おくのほそ道」で道がすぐ出てくるから、そっちにしようかなと。迷いながらですけど、乗ったときにこのスタジオみたいに静かな感じがして、重い扉をバムッと閉めたみたいな感じが一番印象的で。音がこのスタジオみたいに吸われる感じなんです。だから、あの感じが良かったよねと言って、ちょっと静けさがあるキャラクターにしようと。それで松尾芭蕉を選びました。
澤本:歌詞の3分の1ぐらいが専門用語じゃないですか。
コムアイ:そうですね。カタログを見ながら書いたってケンモチさんは言ってました(笑)。
澤本:あれよく覚えられるなと思って。
コムアイ:2番はグチャグチャでやばくて、もう何を言ってるか(笑)。「コンソールボックスカップフォルダー2個付き」みたいな。ほとんど言葉切れてるんですけど、書いてある歌詞、公開されている歌詞、これから公開される歌詞と、全然違うものを読みながら歌っていて。書き換えて歌えるように「ここは省略して」ということをやって。小さい「っ」にしていったり。それで歌いましたけど、流石に難しかったですね。ケンモチさんもどんどんラップの難易度が上がっていって、どんどん早くなっていきました。
権八:それちょっと存じ上げてないんですけど、歌詞は基本、ケンモチさんが書くんですか?
コムアイ:そうです。ケンモチさんが書いてます。