宣伝会議賞のイメージガールに
中村:広告の話。『宣伝会議』の11月号の表紙を見てるんですけど、表紙も飾っておられて、何より宣伝会議賞のイメージガールに就任されたんですね。
コムアイ:そうなんですよ。その案をもらったときに、それは私がやりそうにないからいいなと思って。自分がやりそうにない仕事は結構すぐに受けたくなっちゃうんですよ。宣伝会議賞っていつも東宝シンデレラみたいな、芸能界に入りたての顔の整った清楚な15、16歳の女の子がやるイメージがあって。広瀬すずちゃんの売れる前みたいな。実際はやってないかもしれないけど(笑)、そういうイメージで。
権八:え、そんなイメージがあるほどみんな知ってるものなの?
コムアイ:知ってますよー。駅にめちゃめちゃ貼ってあるから、私は気になってましたね。常にオラオラなコピーだなと、気になってました。
権八:あー、そうだね。かなりこっちに訴えかけてくるものあるもんね。強いよね。コムアイのときのコピーが・・・覚えてますか?
コムアイ:覚えてる。ちょっと待って・・・思い出せる・・・なんだっけ・・・言葉(笑)?
権八:覚えてねーじゃん(笑)。これは水カンのコムアイならではのコピーだと、僕は膝を打った覚えがあります。
コムアイ:覚えてますよ。「言葉の力を信じる」。
権八:全然ちげーよ!
一同:(笑)
澤本:それに変えようか(笑)。
権八:適当に言ってんじゃん。しかも違うのわかってて言ってる(笑)。
コムアイ:いやいや、え、待って。でも、かなり近いですよね?
権八:全然近くない(笑)。
コムアイ:なんだっけな、カタカナが2個あったんですよね。言葉というのと、もう1個カタカナがあった気がするんだけど・・・言うのやめよ。どんどん間違った方向にいくかもしれない(笑)。
権八:これで俺がまた正解間違ったら(笑)。
澤本:俺はそれに期待してる(笑)。
コムアイ:どうぞ(笑)。正解お願いします。
権八:えーとですね、「ジブンだけの言葉。」・・・はい、続きは?
コムアイ:えー、「ジブンだけの言葉。」じゃない気がする。
権八:じゃあ一応言っていい? 「ジブンだけの言葉。ジブンだけの自由。」。これだった気がするんですけど。合ってますか?
中村:ブースから正解という声が。
コムアイ:えー、私も覚えてましたよ。
権八:覚えてねーじゃーねーか(笑)。コピーライターはきっとショックだよ。「コムアイは覚えてもいねー」と。
澤本:そうだよ、自分が出ているポスターを(笑)。
権八:そんなに意識していた宣伝会議賞のポスターを。
中村:ちなみに、このコピーを書いたのは?
権八:唾があふれでてくることで有名な谷山さんだと聞いてますけど。
コムアイ:あの本(広告コピーってこう書くんだ!読本)を書いてる人ですよね?
権八:本を書いて、唾飛ばしてくる人(笑)。
澤本:じゃあ俺は谷山さんをディスったってこと?
一同:(笑)
権八:谷山さんを公然とディスってましたよ。
澤本:いや、「ジブン」がカタカナのほうがいいよね、やっぱりね(笑)。
コムアイ:谷山さんとお仕事したことありますか?
澤本:大先輩なので。
コムアイ:そうなんだ。一世代上なんですね。
権八:僕もエラそうに言ってますが、実はこのコピーを昨日知ったんですよ。
コムアイ:あ、今回のために見てくれたんですね。ありがとうございます。こんなところで突かれるとは思わなかった、グサーッと刺客が(笑)。
権八:いや、コムアイちゃんって見ていて、たぶんご自身でも意識してると思うんだけど、自由な感じがするじゃないですか。だから、「ジブンだけの言葉。ジブンだけの自由。」はコムアイっぽくていいなと俺は思ったんだけど、本人はそう思ってなかったと(笑)。
コムアイ:谷山さんはそう思ってつくってくれたんだなと思って。うれしいですね。
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構成・文:廣田喜昭