音楽をはじめたのは、「水曜日のカンパネラ」をはじめてから!?(ゲスト:コムアイさん)【後編】

音楽をはじめたのは「水曜日のカンパネラ」結成後だった

澤本:なぜ曲に歴史上の人物の名前ばかりがあるんですか?

コムアイ:歴史上の人物に限ってるわけじゃないんですけど、初期に人名と固有名詞にしようと決めました。曲名を付けていくんだったらルールが欲しいと思ったのと、1曲聞いて、そのイメージを人が取り込むじゃないですか。そのときボックスに名前を付けるなら、人格がいいと思ったんです。

澤本:曲の人格?

コムアイ:人形みたいな感じで自分の中に取り込めるといいなと思ったので。『桃太郎』だったら『桃太郎』で、曲なんだけど人形みたいな感じで。キャラクターが自分のイメージの中に引っ付いてくるというのがやりたいと思って、全部人名や固有名詞にしていて。

権八:歌詞に出てくる「六角」って何ですか? 「六角へいへいほー」って?

コムアイ:なんだっけ、「六角へいへいほー」って? 忘れちゃった(笑)。

権八:『桃太郎』で出てくるじゃない。「魂の16連射」も。なんでこんなに若い子が「PCエンジンbyハドソン」って歌えるんだろうと思ったら・・・。

コムアイ:ケンモチさんが30代なんです。

権八:そうだよね。もろ僕ら世代で。なんだけど、「六角へいへいほー」って歌詞があるでしょ。六角って何だろうって。

コムアイ:それは30代でもわからないんですか?

権八:わからない。

コムアイ:私は30代の人だったらわかるネタなのかどうかすらもわからないから。

権八:あまり検証したりはせずに。「魂の16連射」も何のことか。

コムアイ:気になったら調べますけど、キリがないのでそのままにして、ライブやPVは音だけで表現してます。

権八:言葉の意味をちょっと無化してるというか。

コムアイ:知らない英語の歌詞みたいな(笑)。

権八:そういうノリで、音として歌ってるから面白いんだよね。

コムアイ:30代の人が知ってる言葉だったら、それに付いてくるイメージを無視して歌ってるかも。無視して違うイントネーションになってるのもあるかも。

中村:だから面白いんでしょうね。

コムアイ:アメリカ人が日本語の歌をうたったみたいな。そういうことになってる。

権八:音楽そのものはいつからはじめたの?

コムアイ:カンパネラからです。

権八:それ以前は一切?

コムアイ:全くやってなくて。

権八:どうやってはじまったの?

コムアイ:マネージャーに誘われたんですよ。「やりたくない」って言ったんですけど。慶應の19歳の女の子だからプライドがあって、「えー、それってライブハウスで一から修行するみたいなことだよな」って思って。「きっついわー」みたいな。泥臭いのやりたくなくて。

権八:マネージャーはどこにいた人なの?

コムアイ:以前は川嶋あいさんを担当していたり。今も同じ事務所にTSUBASA PLUSというところに10年ぐらいいて。

権八:そのマネージャーの目にどうしてコムアイが留まったんだろう。

コムアイ:中学生ぐらいから色々なところに行って、人と話すのが好きになって。畑に行った先でたまたまホームパーティがあって、何か面白いものを持ってる人いないかなって、色んな人と話してたときにそのマネージャーがいたんです。「新しいユニットをつくろうと思ってるから、それに入る子を探してる」と。その時点で私は歌ってもないし、歌ってみてとも言われてないんですけど、「絶対やろう」みたいな感じで。

権八:すごい!

コムアイ:「いや、やらないですよ」みたいな感じだったんですけど。

澤本:その人、慧眼だね。

コムアイ:そこにいます。Dir.F。

権八:あ、あの人がDir.F?

次ページ 「「水曜日のカンパネラが好き」はオシャレの符号?」へ続く

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