米・ニューヨークに拠点を置くThe Interactive Advertising Bureau(以下「IAB」)が、2017年のネイティブ広告に関する予測(「Where is Native Headed in 2017?」)を発表した。IABは1996年に設立された、米国のオンライン広告に携わる主要なメディアやテクノロジー系企業650社以上で構成される団体。今回の予測は、IAB内のネイティブ広告/コンテンツ委員会が、業界が直面する新たな変化や傾向を協議したうえで、一つの見解として発表したものだ。
2017年に変化が予測されることとして、IABが挙げているのが下記の8点だ。
- BtoBやローカル、金融・不動産など特定ニーズを持った消費者を対象にした専門特化型のマーケットに多くのパブリッシャーが参入するようになる
- オープンRTBとダイナミックアドにより、効果測定の手法が増えていく
- モバイルファーストの姿勢がより顕著になる
- ビジュアルコンテンツ、特に動画の重要性が高まる
- 縦型動画、360度動画、アウトストリーム型動画など、動画広告のフォーマットがさらなる進化を遂げる
- 価格モデルがCPM(Cost Per Mille)からCPV(Cost Per View)へと変化していく
- 視線や経過時間など、アテンションメトリクスに大きな焦点が当たる
- プログラマティックソリューションにより、データに基づく適切なターゲットへの適切なタイミングでの適切なコンテンツ配信がほぼリアルタイムで実現可能になる
また、2017年に新たに起こりうることとして、IABは以下の4点を挙げている。
- 引き続き、新しい広告フォーマットが開発されていく
- VRネイティブ広告がより現実のものになる
- DSPによる優先順位を付けた広告配信がアプリ内課金を促進する
- これまで米国では実現できなかった、メッセージアプリ内でのネイティブ広告の増加や、P2P市場での新しい広告モデルのテストが行われる
IABのネイティブ広告/コンテンツ委員会はForbes、Facebook、AOL、Yahoo、Outbrain、Criteoなどのメディア企業からテクノロジー系企業まで、計165社からメンバーが参加している。予測で挙がったことは、いずれもモバイル、ビデオ、データという3つの領域に関連しており、この領域は、2017年もますます伸長していく見込だ。