これからは「女性・性」の時代!「感じる力」がビジネスを動かす
千布:国を挙げて女性活躍の必要性が叫ばれています。創業11年目を迎えた、私たちAMDもスタートアップ期は男性社員が多く、働き方にも偏りがあったのに対し、社員が40名に増えた今、女性社員の採用が増えています。
「いかに女性が持つパワーやクリエイティビティを活かせるか」は私にとっても大きなテーマです。そこで今回は、女性ならではの感性をうまく引き出しながらマネジメントを行うお二人をお招きし、議論していきたいと思います。
髙橋:私が起業した原点は、香港に勤務していたとき、「女性は働きながら子育てをするのが当然」というカルチャーに触れ、それを可能にする社会インフラとして「メイドさん」の存在があると知ったことです。そこで帰国してから、現在の代表取締役である夫と、家事代行・ハウスクリーニングサービスを行うベアーズを立ち上げました。日本にも「働きながらの子育て」を明るく楽しくするための産業が必要と思ってのことです。
ベアーズでの多くの女性社員をマネジメントする立場を通じ、女性の強みを活かすためのキーワードは、女性の「感じる力」を活かすことだと考えています。
森山:「感じる力」という髙橋さんの意見、私も同感です。ただし、これは性別的な「女性」に限った話ではないと思います。「男性・性」「女性・性」というものは、誰しもが持っているもの。例えば「男性・性」は、数字や言葉など具体的なものから正確に読み取る力、「女性・性」は映像や絵など曖昧なものから感覚的に読み取る力と言い換えてもいい。
かつての大量生産時代とは異なり、今の時代では「感じる力」が強く求められていると思います。現代社会、特にビジネスの中ではそうした力が軽視されがちですが、世の中では今後一層「感じる力」の必要性が高まっていくと思う。
画一的ではなく「人が人らしく生きていける世界」を目指したいという考えが、CRAZYを経営するベースになっています。
髙橋:「人らしく生きていける世界」へ変化していくのは、現代の消費スタイルを見ていてもわかりますね。商品のスペックでは差別化できない時代で、人の温もりや、背景にあるストーリーに共感して、商品やサービスを購入していますから。
森山:そう考えると、たとえ男性であっても、ビジネスの中で「女性・性」への理解や「感じる力」が求められていくのかもしれません。