「オヤジフェス2016!」旧は新を兼ねる。オヤジは若さの進化形。【後編】

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今回の電通デザイントークは、コトバの山本高史さんの最新刊『広告をナメたらアカンよ。』を読んだ有志の熱き思いから企画しました。広告界では常に「新しく、若い才能」が求められている一方で、広告ビジネスが複雑化し、コンサルタントやパートナーとしての成熟した視点も求められています。そんな状況の中、自分なりの仕事の見つけ方、戦い方をどう形づくっていけばいいのか?「オヤジ世代の“側に合わせる”のはナンセンスだけどさ…」とつぶやく山本さんと、オヤジ仲間で、のみ仲間でもあるグリッツデザインの日高英輝さん、山本さんが指名したワカモノ代表の電通の三島邦彦さんが語り合う座談会の後編です。

尊敬できるオヤジの存在

山本:オヤジになったから失敗がなくなるということはなくて、今でも本当に嫌になるほど恥ずかしい失敗もある。ただ失敗を乗り越えていくことで、自分が少しでもマシになっていくという望みだけは持ち続けてきました。

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山本高史氏

このことに気付かせてくれたのも“大オヤジ”の存在でした。日高くんにしてみれば宮田さん、僕にしてみれば大島さんです。大島さんからは「面白いけど、おまえには愛が足りない」とよく言われました。その言葉の意味を僕なりに翻訳すると、商品や企業のことをよく理解して自分の考えを持った先に表現があり、それを世の中に送り出そうとする熱意があるべきではないかという意味だと思っています。今でも一緒に仕事をすると、気付かされることが多い。そういうオヤジがいてくれて本当によかったと思います。

日高:宮田さんはブランディングという言葉がない時代から、社会の中での企業のポジションを考えて、広告をつくる方法を模索していました。クライアントから新聞広告の制作を依頼されたにもかかわらず、「社史を作りましょう」という提案をする。そんなふうだから競合プレゼンには勝てません。

ところがある時、「あなたが言っていることは正しい、自分が上に通す」と宮田さんにほれ込むクライアントが出てくるのです。そういう仕事はクライアントとの関係が強固で、長続きします。宮田さんの仕事の方法を間近で見てきたことが、自分の血肉になっています。

山本:三島くん、尊敬できるオヤジを挙げてください。

三島:山本高史さんは置いておいて(笑)。

山本:はい、置いてください(笑)。

三島邦彦氏

三島:尊敬できるオヤジは今、一緒に仕事をしている磯島拓矢さんです。こんなにクライアントのあるべき姿を考え抜いてコピーを書く人がいるのかと驚きました。

山本:僕は一度、磯島くんを取材したことがあるのだけど、その時に彼は「コピーはクライアントの代筆」だと言っていました。コピーはクライアントのために書くものですが、「代筆」という言葉を使った人は初めてで潔さを感じましたね。

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