テレビとネットを融合しコミュニケーションの最適化を図る
生活者のデジタルシフトが進み、企業は多様なメディアを活用したコミュニケーションづくりに取り組んでいる。一方、デジタルを活用したブランディング手法は方法論が確立されておらず、課題も多い。
本セミナーは「デジタル時代のブランドイメージはどのようにつくられるのか」をテーマに、これまで研究会に上った課題や、企業事例から導かれたヒントが語られた。
第1部では、中央大学 ビジネススクール 大学院戦略経営研究科 教授の田中洋氏が講演。田中氏は「デジタル時代は『テレビとネット』融合の時代。タッチポイントが複雑に絡み合った状態」と解説しながら、「企業ブランドとは知覚された企業能力(=何ができる企業なのか)。企業の社会的責任や全体の評価と捉えてブランド育成を」と話した。
第2部では、研究会参加企業から3社のマーケティング担当者が登壇。オプト 執行役員 デジタルブランディング領域管掌の中野宜幸氏がモデレーターを務め、各企業のデジタル活用事例を紹介しながらパネルディスカッションを行った。3社とも環境変化に伴い、消費者との新たな関係構築が求められている。
「事前にネットで情報収集を行い『買うときだけディーラーのもとに来店する人』が増加。情報収集段階でのコミュニケーション・低関心層へのアプローチが求められている」と話したのは、日産自動車 日本マーケティング本部 ブランド&メディア戦略部 部長の菅野亜紀子氏。SNS上でバズを生んだ「#猫バンバン プロジェクト」など、デジタルで長期的なエンゲージメントづくりを行っていると紹介した。
ヘアケアブランド「いち髪」などを担当する、クラシエホームプロダクツ宣伝・販促部 課長の牧戸和至氏は「予防美髪」ブランドキャンペーンの事例を上げ、「デジタル活用はテレビと組み合わせながら行うのが効果的。視聴環境・視聴態度・メディアのフォーマットの特性をふまえながら、コンテンツの内容を変えることで、効果が高まる」と話した。
また、コーヒーブランド「AGF」などを担当する、味の素ゼネラルフーヅ家庭用事業部 家庭用第一部 RCグループ統轄マネージャーの三宮智昭氏は「コーヒーのような商材は、最終意思決定の多くが店頭で行われる。デジタル施策と店頭でのコミュニケーションを連動させることで選択率を上げたい」と話す。
モデレーターの中野氏は「扱う商材・ブランディングのプロセスによって、デジタルが担う役割が異なる」と補足した。
第3部では、オプト マーケティングマネジメント部 マネイジングディレクターの伴大二郎氏が、現代のデジタルコミュニケーションに欠かせない3つのキーワード「Always on」(常にスマホを持ち歩く“ながら利用”)、「Social Economy」(共有や創造への欲求の高まり)、「Resonance」(“特別感”を生むことの必要性)を提示。研究会に参加した企業の事例を交えながら、ブランドイメージを醸成するためのシナリオづくりを解説した。
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