2008年にJAXAが宇宙飛行士を募集した際には、実際に応募も
権八:そんなに宇宙が好きなんですか?
澤本:いつから宇宙好きになったの?
黒田:中学のときに科学に関する作文コンクールに応募したら最優秀賞をいただいたんです。その副賞がNASAに連れていってもらえるというもので、現地に行ってみると「宇宙が自分を呼んでいる」みたいに思ってしまって。それから宇宙に行きたい、宇宙に関わる仕事がしたいと思うようになりました。
澤本:NASAってどこにあるんですか?
黒田:ヒューストンなど、色々なところにあるんですけど、私が行ったのはアラバマ州という、ちょっと田舎のほうにあるマーシャル宇宙飛行センターです。
澤本:宇宙飛行センターに行ったんだ。
黒田:そうです。ミュージアムが併設されていて、地元の子どもたちも見学できるように宿泊施設もあるんですよ。そこで宇宙飛行士の方が訓練されていたり。アポロ計画など宇宙開発の歴史もそこで見ることが出来て、すごいと思って。
澤本:それで、もう宇宙に行かなきゃと思ったんですか?
黒田:ただ、宇宙に関わるということは一握りの人にしかできないような気がしていて。何となく宇宙には関わりたいけど、「宇宙飛行士になりたいです」なんていうことはなかなか言えない時代が続きましたね。ただの憧れというか、実現不可能な夢という感じでした。
権八:どうなると宇宙飛行士になれるんですか?
黒田:JAXAの宇宙飛行士の試験がだいたい10年に一度ありまして。
中村:10年に一度!?
権八:そんなにたまにしかないの!?
黒田:そうなんです。前の試験が2008年だったんですよ。
中村:おー、じゃあ近いじゃないですか!
黒田:2018年にあるかどうかはまだわからないんですが、2008年のときに私は大学3年生だったのかな。専門分野に関する「実務経験」が3年以上ないと応募できないので、当時は応募資格に満たなかったんですが、なんせ10年に一度だから思いだけでも伝えたいと思って、そのときに応募だけはしたんですね。
澤本:したんだ!?
黒田:はい、色々な書類を揃えて、自分の気持ちを書くぐらいのことしかできなかったんですが、応募はしました。
権八:宇宙飛行士の山崎直子さんとお会いになったと聞きましたが?
黒田:取材で山崎直子さんにお会いする機会があって。初めにお会いしたときに「2008年に応募した」という話をしたんです。「そうなんですね、すごいですね」みたいな話になって。その3年後ぐらいに再会することがあったんですが、そのときに「黒田さん、次の宇宙飛行士の試験があったら受けるんですか?」って山崎さんから言っていただいたんです。でも私は色々調べた結果、自分は宇宙飛行士にはなれないと思ってしまっていて。
澤本:え、なんで? 何が足りないの?