『アンタレス』という曲に込めた思い
黒田:色々な方のお話を聞きながら、そんな感じに宇宙と音楽をかけ合わせてみました。また、1977年にボイジャーが飛び立ったんですけど、そこにゴールデンレコードという地球の音、例えば風、雷、動物の鳴き声などや、色々な国の音楽を載せたレコードを積んでいるんです。そして今、ボイジャーは40年かけて太陽系の外まで突っ走っているんですよ。
権八:今現在も。
黒田:ということからも、音楽というのは人類がつくってきたものの色々なエモーショナルな部分でもあり、もし言葉が通じなくても、音楽だったら通じるかもしれないという可能性を秘めたものなんですね。
権八:歌ではどういうことを言ってるんですか? 詞は書いたんですか?
黒田:作家さんにイメージを共有しながら、書いていただきました。私の好きな星はアンタレスというさそり座の一等星なんですけど、『アンタレス』という曲なんですね。アンタレスの輝きというのはいつ見ても、小さい頃に見たときから輝きが変わらないと。あなたに近づくために、私は今、頑張っている、みたいな曲です。
澤本:アンタレスに近づくために頑張ってるということ?
黒田:そうですね。アンタレスという自分の一番好きな星を希望の象徴として、宇宙への夢という風にして、何光年も先のあなたに近づくために。
権八:え、あんたとアンタレス・・・えっ!?
一同:(笑)
中村:僕も思いましたけど(笑)。そういうことですか?
黒田:そういうことにしましょうか(笑)。
澤本:なぜ、アンタレスが好きなんですか? 赤いから?
黒田:赤いからもそうなんですけど。
澤本:赤色超巨星だから。
権八:さすがですね。T大。
中村:なかなかフワッと毎日生きていて、赤色超巨星というのは出てこないですよ。
黒田:私がさそり座ということもあり、そこにアイデンティティを載せているのもあるんですけど。アンタレスは太陽の800倍ぐらいの大きさで、相当大きい星なんですよ。その星の末路はだんだん膨張して、最後には爆発して、質量が大きければブラックホールになるという。今、アンタレスはどんどん膨張して、わりと熟年みたいな星なんですけど、未来に消えてなくなってしまうような切なさ、もの悲しさもいいなと思って。
権八:そろそろ爆発するんですか?
黒田:いや、まだですね。オリオン座のベテルギウスも赤色超巨星と呼ばれる星ですけど、そのベテルギウスはもう爆発しているかもしれないと言われてます。
権八:あー、そうなんだ。
黒田:もうすぐ爆発するかもしれないし、という。
澤本:平安時代か何かに赤色超巨星が爆発した痕跡があるみたいな話もありましたよね?
黒田:あったと思います。
澤本:どこかの星がずっと明るく光っていて。それが恐らく星が爆発したということじゃないかと。どこかで読んだ気がする。