広告もサービスの一部だ。
そんな中で改めて、「どうすれば企業は生活者の共感を得られるのか?」という問いに戻ります。
僕は広告とコンテンツの境界が曖昧になった今だからこそ、こう考えられないかと思うのです。
「広告もサービスの一部である」。
広告を広告として分離して考えず、企業が提供するサービスの体験の一部として広告を考える。もっと言うと、広告だけが広告ではなく、生活者との接点すべてが広告である、と考える。
至極、当たり前のようなことを言っていますが、これを意識して事業やマーケティングができている企業って実は少ないと思います。商品やサービスがすでにある状態から広告を考え始めるのが当然ですし、伝えたいことが決まっている前提だとどうしても企業目線の一方通行な広告になってしまうのが実際のところだと思います。
タートルタクシーは、「企業の認知を獲得する」「採用応募を増やす」という極めて広告的な目的で始まったプロジェクトでした。しかし、実際に行ったことは「新しいサービスをつくる」という方法でした。PRは活用しましたが、純広告には1円も使っていません。それでも、生活者の共感を呼び、多くのメディアに取り上げられ、結果的に目的を達成することができました。
企業が生活者から共感をされるために重要なことを、私なりの解釈で1枚の図にしました。
この図についてのポイントは2点ありますが、そちらは次回のコラム(最終回)でご説明したいと思います。
それではまた。