セプテーニがブランド広告推進部を設立
言語化(=タグ化)してクリエイティブの効果検証を可能に
インターネット広告をはじめとしたマーケティング支援サービスを国内外で展開するセプテーニは、2016年7月に「ブランド広告推進部」を設立した。
その背景に、クライアント側の「ブランディング目的のデジタル広告や動画コンテンツ」への需要の高まりがあったと、同社 青木啓祐氏は話す。「デジタル広告によって数値的な効果が測れるようになった一方、消費者への認知拡大や好意形成を狙ったブランド広告は、何を指標にしてどのように予算配分をすれば良いのかわからない、という相談が増えている。ダイレクトレスポンス広告でノウハウを持つ強みを生かしながら、ブランド広告事業においても数値化・可視化するための仕組みを構築していきたい」(青木氏)。
そのひとつのヒントが、言語化(=タグ化)によってクリエイティブの要素を分解し、何が効果につながったかという点について、検証を行う運用ノウハウである。
加来幸樹氏は、「広告のデザインには、視覚的な印象を担うビジュアルのデザインと、数値的な指標達成を狙ったパフォーマンスのデザインがあり、これまでのブランド広告は前者に、ダイレクトレスポンス広告は後者に比重が置かれていた。しかし、本来はどちらの要素も満たしていないと、広告の役割を果たすことができない」と語る。
そこで、ブランド広告が求める「ビジュアル効果」を意図的につくり出すため、セプテーニではクリエイティブの「文字」や「画像」「色」「図形の有無」といった視覚デザイン情報を言語化し、タグ化しながらビジュアルの良し悪しを測る仕組みをつくっている。
この仕組みは平面のデザインだけではなく、動画広告においても要素や指標を変えることで応用できる。
「PV数などの、数値を出すだけでは広告パフォーマンスを改善するためのファクトとは言えない。ビジュアルを設計する段階から、言語化した情報を紐づけておくことで、仮説検証を可能にし、その後の展開時に『変える部分』と『変えない部分』の判断ができるようになる」と加来氏。
今後は、個別のデジタル施策を超えて、クライアントにとって事業の成功を導くようなパートナーの役割を目指す。
「クライアント側の発注も、メディアごとに分断されたオーダーではなく、コミュニケーション全体の設計へと変化していくはず。デジタル・マス広告の効果検証から施策立案を、多くの人たちが協力して意志疎通を図りながら行っていく必要がある。ダイレクトレスポンス広告で培ったPDCAサイクルを回すためのノウハウを生かしつつ、適切な効果検証を行うためのプランニングから参画できれば」と加来氏。
広告主向けセミナーも実施し、数値的なブランド広告運用への理解を深める機会を増やしていくという。今後の取り組みや成果にも注目したい。
お問い合わせ/株式会社セプテーニ
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