プレゼン時に、何を「約束」しますか? — オンライン動画・新春座談会—【KPI編】

<“鬼”まとめ>

左から、鬼ムービーメンバーのPRプランナー根本陽平、クリエイティブ・ディレクター眞鍋亮平、メディア・プランナー鹿間天平

■2017年は、クライアントとの臨機応変な「約束」と強固な「信頼関係」がカギ
数年前まで、動画の評価軸はYouTubeの再生回数に終始していました。時と共に経験が蓄積され、オンライン動画の制作現場では、まさに今、新しい指標が求められています。動画を通じて、狙うべきターゲットに狙った文脈が届いているのか。商品やブランドに、具体的に貢献できているのか。時には、KPIだけではなく、「売り上げ」というKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)まで見据えることが必要になってきているのをヒシヒシと感じています。よりシビアに、オンライン動画に「結果」が求められるようになっているのです。つまりクライアントと何を「約束」するのか、それを果たせるのか、ということが大切なわけです。

クライアントと何を「約束」するのが“正解”なのか、僕たちもまだはっきりと見えていないのですが、ひょっとすると、流動的で変化のスピードや振れ幅が大きくなっている今の世の中では、その「約束」にも“臨機応変”な側面があるのかもしれない、と思っています。

もちろん、ブランドのイメージをより良くするとか、ひいては売り上げに貢献するとか、「約束」の大きな方向性は変わらないのですが、それを最終的に果たすための、「小さな約束」はその都度変わっていい気がします。

僕たち鬼ムービーが関わった「ポカリガチダンス選手権」で、まさにそれを実感したことがあります。これは当初、テレビCM企画としてスタートしたのですが、僕たちもクライアントも、それだけが施策だと決め込まずに、視聴者の反響を見ながら、追加でオンライン動画施策を実施したのです。特に、商品のターゲットである中高生からのリアクションがとても良かったので、さらにSNS企画などへと発展・進化させていきました。

結果として、最初にクライアントと「約束」した、「風邪の時に飲むドリンクというポジショニングから、普段からコンディションを整え、自分の持っている力を出すために飲むドリンクへのイメージチェンジ」ということに、貢献できたと思います。その「大きな約束」のために立てた「小さな約束」は、世の中の反応に応じて、臨機応変に立てていましたが、それが逆に良い「結果」に結びつきました。僕たちとしても、企画を複層的に広げることができ、マスと動画を含むオンライン施策の連動の可能性を大きく広げられたいい経験になりました。

そして、そもそも「小さな約束」を“流動的”にすることができたのは、クライアントとの“強固”な「信頼関係」があったからこそだと思います。アイデアの進化や改革、予算の変化を許容してくれるか、スピーディーに決断してくれるか、そういったことを面と向かってディスカッションできるか。不確定要素の大きな今の世の中で、ブランド(クライアント)のメッセージをきちんと生活者に届けるには、ブランド(クライアント)と、僕たちのような、そのパートナーとなる存在との信頼関係がカギになると、改めて認識しました。

(座談会の続きはこちら

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眞鍋 亮平/鹿間 天平/根本 陽平(鬼ムービー)
眞鍋 亮平/鹿間 天平/根本 陽平(鬼ムービー)

オンライン動画を中心に、最適かつ先進的なコミュニケーションをプランニングから制作・PDCAまで担う専門チーム。クリエーティブ、PR、メディアを中心に各部門からデジタル領域の知見を持つスタッフがグループ横断で集結している。名前には、鬼ヤバい・鬼泣ける・鬼かわいいなど、オンライン上の動画を楽しむ世代が使用する「鬼」という言葉に着目し、鬼○○な動画を生み出すチームという意味を込めている。

眞鍋 亮平/鹿間 天平/根本 陽平(鬼ムービー)

オンライン動画を中心に、最適かつ先進的なコミュニケーションをプランニングから制作・PDCAまで担う専門チーム。クリエーティブ、PR、メディアを中心に各部門からデジタル領域の知見を持つスタッフがグループ横断で集結している。名前には、鬼ヤバい・鬼泣ける・鬼かわいいなど、オンライン上の動画を楽しむ世代が使用する「鬼」という言葉に着目し、鬼○○な動画を生み出すチームという意味を込めている。

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