制度改正で保育教材マーケットも変化 提案力を鍛え、細分化したニーズに応える

保育教材・遊具製造販売のジャクエツは、創業100年の老舗企業だ。長い歴史で培ってきた顧客との関係性を軸に事業を展開しているが、業界の変化に伴い営業スタイルを変えていかなければならないと感じている。変化に対応するための講座活用法を同社の一瀬美佳氏に聞いた。
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保育教材や遊具の製造・販売や子ども施設の建築・設計を手がけるジャクエツの、主要な顧客は幼稚園や保育園。同業界は比較的変化にとぼしく、「関係性で受発注が成り立つ面もあった」と同社の一瀬美佳氏は話す。しかし、やはり変化の波は訪れた。その引き金引いたのは、2006年にスタートした「認定こども園」制度だ。

「認定こども園」制度によって、自治体や地域のニーズに応じ、幼稚園・保育園の形は多様化していった。「結果、お客さまのニーズの幅が広がり、当社としてもニーズに適した付加価値の高い提案を行う必要性が高まったのです」(一瀬氏)。ショッピングモールや病院などが設置するキッズルームなどへ事業拡大を図るにも、営業力の強化は不可欠だった。

一瀬氏がとりわけ課題視したのは、顧客の抱えるニーズを引き出す力、情報収集・整理と、最終的な提案に結びつける表現力だった。従来、同社では開発目線の表現にかたよりがちであったため、こうしたスキルを見直す必要があったという。

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一瀬氏が手がけた採用案内のパンフレット。

一方的な開発目線から抜け出し、顧客の興味を引く言葉を生み出すにはどうすればいいか。そこで一瀬氏が受講を決めたのが、「製品訴求ライティング実践講座」だった。

同講座では、『B to Bで切り口となる「What to say」(伝えるべきこと)を探し出す』方法や、『「よくある表現」から脱するメッセージ開発のプロセス』などが1日集中カリキュラムとして組まれている。

「商品の魅力の伝えかたを考える前に、まずお客さまのニーズを把握するための情報と自社が保有する情報を集め、整理することが大事だとわかりました。その上で表現にとりかかるための糸口や切り口を探すほうが、お客さまのニーズにそえるようです」。

受講を終え、次のステップは、同社内の商品開発者を対象とした研修の実施だ。営業資料ひとつとっても、『新商品が出ます。こんな仕様です』といった味気ない事実を列挙するものが多いのが現状。こうした資料では販売に十分に寄与することは難しい。「誰でもお客さまのニーズをより深くくみ取り、付加価値の高い提案ができるようにすることが最終目標です」。

[会社DATA]
創業100年。保育教材や遊具の製造・販売を手がける老舗企業。
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