データから見る「将来つきたい職業」
前回のコラムでは中高生の悩みは多くが「恋愛」「人間関係」「進路」だという話をしました。そのうちの「進路」については、ラジオ番組内でも取り上げたのですが(1/27放送回にて)、個人的にかなり「ビックリ」な統計が出ていたのでご紹介します。
それがリクナビ進学ジャーナルの「高校生と保護者に聞いた!将来就きたい&就いてほしい職業」ランキングです。高校生全体と男子編では、1位と2位が「教師」と「公務員」でした。
女子編では「看護師」が1位。中でも「保護者の就いてほしい職業ランキング」ではさらに高い割合で「公務員」という答えが1位でした。全体の30%近くにものぼります。
このランキングにYouTuberなどが入ってこないあたりが本当に「リアルだな」と感じさせられます。
また、別の統計(中小企業白書)では、起業家の数も緩やかに減少が続いているそうです。
私は多いときは週に2回、「起業したい!」という女子高生や女子大生からの相談を受けます。
起業件数も増えていると思いきや、あまり伸びていないという現状に驚きました。
正直「保守的」とも思える学生たちの進路の結果について、どう見ればいいのでしょうか?
社会と“断絶”させられている高校生たち
おそらくこうした結果を産んでいるのは「社会」「教育」「家庭」の3つが大きく作用すると思っています。
「家庭」が子どもに安定を望むのはこうしたご時世ですから仕方ないのかもしれません。ですが、「社会」と「教育」は少し事情が異なります。
特に教師による「教育」にはあまりいい思い出がありません。中学1年のときから「絶対に起業したい」と思っていた私は高校に入った入学式で先生に呼び出されました。起業して世の中を変えたいと思っていた私に先生は「社長なんて汚いお金を使うだけ」や「起業なんて絶対失敗するから辞めたほうがいい」と執拗に迫りました。お金を稼ぐことを「悪」とまで言われてしまったんです。
しかし、いくらおカネの汚さを説いたところで、社会で待っているのは「いくら稼げるのか」というシビアな基準です。
バイト禁止の学校もいまだに存在します。学生は意図的に社会と断絶されるような仕組みになっている以上、学生たちの目の前に見えている職業が「親がやたらと勧めてくる“コームイン”」と「教師」しかないのも頷ける話です。