世界第3位のエージェンシーコングロマリットであるピュブリシス・グループが、CEOのモーリス・レヴィ氏の退任を発表した。
レヴィ氏は1971年にピュブリシスに入社。87年からは同社2代目のCEOに就き、30年に渡り指揮を執ってきた。2000年にはSaatchi&Saatchiを買収し、ヨーロッパでの勢力を拡大。また2006年にはDigitas、2009年にはRazorfish、2013年にはLBi、2015年にはSapientを買収するなど、グループとしてデジタル領域への対応強化へ積極的に取り組んできた。
2015年に新戦略として「The Power of One」のスローガンをもとにピュブリシス・グループの体制を大きく改革。日本においても「ピュブリシス・ワン」を立ち上げ、ビーコン・コミュニケーションズを中心にグループ傘下の各エージェンシーが、ひとつの傘のもとに統合化していくことになった。在任中の1987年~2017年の間に、従業員数は25倍、収入は44倍、市場資本総額は93倍に成長させるという実績を残した。2月18日に75歳となり、CEOの年齢上限になることから、退任を発表した。
また6月1日より、新たなCEOとして現ピュブリシス・ワールドワイドCEOのアーサー・サダウン氏が44歳の若さで就任する。同氏は、チリで広告会社を創業(後のBBDO/Chili)、その後、オムニコムグループのTBWAに加わり、2003年からはTBWA/ParisにてCEOを務めた。2006年からピュブリシス・グループに移った後、2009年にはピュブリシス・フランス、2013年よりピュブリシス・ネットワーク、2016年よりピュブリシス・コミュニケーションズとCEOを歴任。米AdAge誌が選ぶ2016年のAgency Executive of the yearにも輝いた。
サダウン氏は「これまで90年、初代CEOのマルセル・ブルースタイン=ブランシェ氏と2代目CEOのモーリス・レヴィ氏が成し遂げてきたように、The Power of Oneを通じてピュブリシスをますます革新、成長させていきたい」と述べている。