【前回コラム】「インフルエンサーエージェントが倒れる日」はこちら
今回は、オグルヴィ・ワン・ジャパンの代表を歴任し、現在フライシュマン・ヒラード・ジャパンのシニア・バイス・プレシデント&パートナーを務める馬渕邦美さんをお招きします(実は以前より、SNSのあれやこれやをよくお話させていただいており、お世話になっているんです!)。プロモーション、広告界におけるSNSマーケティング、またSNS上のユーザーインサイトなどについてお話ししてきました。
数値分析ができ、クリエイティビティのある 新しい人種が必要
石井リナ:馬渕さんは、長年プロモーション業界の第一線を走られてきたと思うのですが、現在のSNSを活用したマーケティングについて何か感じることとかってありますか?
馬渕さん:SNSマーケティングって、今まであまり体系的には語られてきていない印象なんですよね。デジタルマーケティングをテーマとするカンファレンスでも割かれている時間が少ない。これほど皆が使っているのに、日本の中でフレームワークが確立されていないし、まだ明確なマーケティング・ゴールを持って語られていることが少ない気がする。
石井リナ:マーケター向けメディアを運営しているので、取材するとSNS運用について詳しい方は多いなと感じるのですが、ノウハウは各所に点在している印象がありますね。フレームワーク化は私もしていかないといけないんですけどね。
馬渕さん:テレビをはじめとするマスメディアで、「あ、これほしいな」って感じることが減ってきて、SNSでシェアされている情報を見たり聞いたりするもののほうが、興味を惹きつけられていることも多いよね。そうした内容が分析されたり語られてたりしていないのは問題かなと。そういった意味では、ソーシャルコンテンツはその最たる例だと思う。
石井リナ:そうした時代に求められる人材って、どんな人材だと思いますか?
馬渕さん:やはりデータは重要で、ユーザーの動きや投稿を分析しながらマーケティングするということは第一かな。これからマーケターは、ソーシャルインサイトを考えながらクリエイティブにもほぼリアルタイムでアウトプットしていかないといけない。もちろんジェネレーションはあるけど、新しいスキルの獲得を努力しないといけないし、新しい人種も必要なんじゃないかな。その点では、石井さんはよく体現していると思うよ。
石井リナ:いえいえ、そんなことないですよ!
馬渕さん:SNS上でどうやってユーザーにコンテンツを届けるのかって、すごくクリエイティブな仕事だと思っていて。ユーザーはどういうコンテンツなら嬉しくて、シェアしたくてとか、きちんと考えられるのは、やはりアクティブに使っている人じゃないといけないよね。