仙台の留学支援企業のブランディング — 親しみやすさと未来志向を表現

『100万社のマーケティング』は、「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介する専門誌です。記事の一部は「アドタイ」でも紹介します。第10号(2017年2月27日発売)が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。

地域に根差す企業とクリエイターがパートナーとなり、新しい価値を生み出した事例を、手がけたクリエイターが自ら解説。今回は東北エリアの事例です。

今回ご紹介するのは、海外への語学留学、ホームステイ、ワーキングホリデー、インターシップの手配とサポートを行っている会社、インターサポートです。留学サポートの会社と聞くと「東京の会社」と地元では思いがちですが、仙台にしっかりと根づいた、東北でも有数の留学サポート企業です。

「地元企業だからこそできる、地域に根ざした細やかなサービス」を提供していること、そして「仙台からでも安心して留学ができる」こと。私たちLUCK SHOWは、それをより多くの方に知っていただけるよう、ブランディング面からお手伝いしています。

そんなインターサポートから、創業20周年を機にリブランディングをご依頼いただきました。留学に興味を持った学生にとって「海外留学」とは、どこかハードルが感じられ、構えてしまうことがある。こうした状況を踏まえ、「とにかく、親しみが持てて、明るい未来を感じさせる印象を与えたい」とのお話がありました。

その依頼を受けて、「東北」や「仙台」らしくなく、海外、特にヨーロッパの企業のような、そして北欧のテキスタイルになるようなマークを制作し、展開することにしました。マークは地球儀をモチーフに五大陸を感じさせる5色を、空と地平線をベースに配色しました。新たに策定したロゴマークを起点に、海外留学ガイドブックや名刺、封筒、ピンバッヂまで、統一したデザインで一新しました。また、インターサポートと学生の架け橋となる、フクロウをベースにデザイン・制作したキャラクター「フクうと」も活用いただいています。

新たなステートメント「find yourself. 世界で見つける、本当の自分。」を可視化し、インターサポートに接したすべての人が同じブランドイメージを感じられるようなデザインを目指しました。

重要なのは「デザインのその先」

プロジェクトにおける最初の打ち合わせでは、経営者・決定権者の方、そしてご連絡いただいたご担当者とお話をさせていただきます。デザインやクリエイティブに関する内容よりも、デザイン制作をし、その後の売上などの効果を予測しながら、「デザインで明るく楽しく、もっと良く」するために、企業や部門、プロジェクトの課題や目標を聞くようにしています。

地域を活動拠点とするクリエイターは、クライアントととても近い位置にいるので、プロジェクトにダイレクトに携われることが強みだと思います。また、大都市とは違い、地域の実情や課題がとても身近に見えるので、情報を正確に捉えやすいとも感じています。パーツごとに仕事が細分化されることなく、トータルで仕事を進められることが多い。そのため、課題の洗い出しから施策の企画立案、アウトプットまで、一貫性を 持ってプロジェクトを進めることができています。

三浦了 Ryo Miura
LUCK SHOW 代表

デザインプロダクションや広告会社でブランディング・CM・キャンペーンなどの経験を積み、2011年に「LUCK SHOW」を設立する。クライアントとの対話を大切にしながら、“幸運= GOOD LUCK”を導くデザインを生み出している。

 

 

CLIENT’S VOICE

企業のあり方・思いを伝えやすい環境をつくるのがクリエイティブ

一人ひとりの希望に添ったオーダーメイドの留学をサポートできるように、留学する本人はもちろん、保護者の方の声にも耳をよく傾けるよう心がけています。クリエイティブは、そうした企業としてのあり方や、私たちがお客さまに伝えたいことを伝えやすくするための環境づくりだと思っています。

仙台市主催のセミナーで、三浦さんが「クリエイティブに対して企業側が何をするべきか」をわかりやすく説明していたのを聞き、依頼しました。

浦沢みよこ Miyoko Urasawa
インターサポート 代表取締役

 


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