広告・マーケティング業界で使われている言葉が「戦争用語」だと知っていましたか?

顧客は攻略すべき相手ではない

少し乱暴な話ですが、こうして新しい領土を次々と獲得して、市場シェアを拡大していこうというのがマス・マーケティングにおける新規顧客獲得のイメージです。

確かにかつてはこうした発想が有効でした。それは人々がモノを求めていた時代。経済や消費活動が盛んだった高度成長の時代。大量生産・大量消費が機能していた時代。ざっくり一言でいえば、20世紀後半は新規顧客の獲得が有効なマス・マーケティング全盛時代だったと言えるでしょう。だからこそ企業も、そうした戦略に予算を使い、知恵を絞ってきたのです。

しかし、今や商品はコモディティ化の時代を迎えています。何よりも市場を拡大しようにも少子化を迎え、今後の人口減少がみえています。こうした社会背景、時代背景があり、今買ってくれているお客さま、つまり「既存顧客」を大事にする必然性が生まれてきたというわけです。

では、既存顧客と一緒に共生し、発展していくためには、どうしたらいいのでしょうか? 詳しくは書籍に書いていますが、ひとつ確実に言えることは、消費者や顧客を“攻略すべき標的”と考え、戦争用語を使って戦略を仕掛けるような発想から脱却する必要があるということです。

出版記念セミナー開催決定
なぜ今の時代に「顧客視点」を重要視するのか
 

『顧客視点の企業戦略 -アンバサダープログラム的思考-』は、「新規顧客の獲得」と同時に「既存顧客を重視」する企業姿勢に関する本です。これは今の時代に求められている、マス・マーケティングと対を成す考え方の指南書でありガイドです。

はじめに:「新たなる現実」を受け入れて、次へ向かう指標としての顧客視点/第1章:顧客視点がないと「マーケティング」ではない/第2章:マーケティングを顧客視点で組み替える/第3章:企業の目的は「顧客を創造する顧客」の創造である/第4章:顧客と一緒にマーケティングする/実践レポート:アンバサダーの体験設計(上田 怜史)/第5章:アンバサダーが企業にもたらす変化/第6章:顧客視点経営がビジネスを変える

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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