レベニューシェアの業界スタンダードをつくりたい
GOの柱である「事業クリエイティブ」は、「コアアイデアから始まる」と三浦さんは言う。ここで言う「コアアイデア」の意味は、広告のコアアイデアとは違う。
「例えば、ライザップは、『「人は変われる。」を証明する』、つまり自己実現カンパニーであると自社を規定しています。このコアアイデアが明確だから、ライザップは英会話事業やゴルフ事業などへの横展開が可能になっています。僕が担当した車イスのCOGYは、以前はコアアイデアが『足こぎ車いす』でしたが、これでは足が不自由な人が乗ろうと思いません。そこで『あきらめない人の車いす』とすることで、ユーザー層が広がりました」。このように事業アイデアにも、コミュニケーションにも、コアアイデアがあれば一貫したアウトプットの方向性を規定できる。
GOでは、三浦さんがクリエイティブディレクターとしてコアアイデアと具体的なアウトプットを考える。松浦さんはその実現に必要なファイナンスを担う。福本さんは、メディアのバイイング、外部協力会社との交渉、クライアントに対する営業としての役割などを担う。
「サクセスシェアリング」という言葉には、クライアントのパートナーとなり、その成長を徹底してサポートするという覚悟を込めた。「GOでは、『いいCMをつくったけど、残念ながら売れませんでした』で終わりには絶対にしません。クライアントが儲かるまで責任を持って自分事として動き、一緒に成功したいと思います」と福本さん。
レベニューシェアのパーセンテージの取り決めは、前例がないため、クライアントごとに協議の上決めていくことになる。「広告業界にはマージンの慣習の数字はありますが、売上げにこれだけコミットしたら何%という数字はない。金融業界にもありません。広告と金融を合わせた時に何%が適切なのか、というのは僕ら自身で定義していくしかないんです。GOで実験と検証を続け、それがいつか、業界のスタンダードになることが目標です」(福本さん)。
続きは、『ブレーン』4月号でお読みいただけます。
■特集「働き方は自分で創る クリエイターのワークスタイル改革」
【新しい働き方の実践のために独立したクリエイターたち】
・The Breakthrough Company GO 三浦崇宏、福本龍馬、松浦由紀
・CC INC. 戸田宏一郎、齋藤太郎
・ブルーパドル 佐藤ねじ、深津康幸、橋本大和
・catch+リヴァンプ 福部明浩、齋籐武一郎
【Uターン、Iターン 地域で働くクリエイター】
・un-T factory! 飯田淳介
・ROLE 羽田純
【クリエイターのセカンドキャリア】
・博報堂 新大人研「賢人会議」
【広告界のワーママに聞く】
・サン・アド 引地摩里子
・エブリー 塚原文子
【広告会社・制作会社45社「ワークスタイル改善」アンケート】
■青山デザイン会議
「働くことと生きること 自分の未来をどう切り拓く?」
江口宏志(醸造家)×小山奈々子(Lucky+K)×中村暁野(一年誌『家族』編集長)