#SXSW2017 注目キーワードは「ジャーナリズム」「ストーリーテリング」

<筆者>
鈴木貴歩 Takayuki Suzuki
ParadeAll 代表取締役 エンターテック・アクセラレーター

 

アメリカのテキサス州オースティンで毎年開催される、カンファレンス+フェスティバルイベント「SXSW 2017」が3月10日開幕した。

筆者は、エンターテック・アクセラレーターとして、エンターテインメントxテクノロジー領域のコンサルタントとして活動しており、最先端のテクノロジーやコンテンツ関係の展示、カンファレンスを視察しに、今回3年ぶり2度目の視察に訪れている。2014年に開催した“日本版SXSW”とも言われる『THE BIG PARADE』のCo-Founderも務めている。

この記事では、初日の模様を、筆者が参加したセッションやアクティビティから紹介する。

日本人を含め、参加者は増加傾向

開幕のOpening Remarksとして、SXSWのChief Programming OfficerのHugh Forrestが今年のSXSWの開幕を宣言して、フェスティバルやプログラムについて解説した。

今年から変わった点はいくつかあるが、バッジシステム(編集部注:入場パス。今年は「Platinum」「Interactive」「Film」「Music」の4種類。例年はこれに「Gold」を加えた5種類だった)のリニューアル、拡大された会場、そして注目は「ジャーナリズム」「ストーリーテリング」のセッションが増えた。

初日に感じたのは、今年はさらに参加者が多く、前回参加時(3年前)よりも出展国や参加者の人種が”カラフル”になったこと、そして日本人の参加者が多いということだ。SXSWの注目度が高まっていることを実感した。

参加者が多くなった影響で、人気のセッションはすぐに満員になり、開始時間に行ったのでは入場できないことも多々あった。そんな人気のセッションの一つが、「How Tech is Shaping the Future of Entertainment」。グローバルのテック/メディア領域のメディア「Mashable」のCEOや、映画『クラッシュ』『ソウ』で知られる映画制作・配給会社 ライオンズゲートのEVP、The Hollywood Reporterの記者、そしてマライア・キャリーのYouTube向けコンテンツやVRコンテンツを制作するデジタルスタジオEndemol Shine Beyond USAの代表によるトークセッションでは、テクノロジー化されるメディアプラットフォーム、コンテンツビジネスの未来について話された。

その裏で参加したのは、DAUが1.5億人にのぼる画像共有サイト「imgur」のセッション。画像共有サイトというと日本ではPinterestが有名だが、imgurはネタ画像を共有するサイトで日本の「bokete」のような”インターネット・ミーム”を生み出すサービスとして知られている。InstagramやSnapchatのように、次々と登場するテクノロジープラットフォームを、近い将来にはマーケティングの場として活用することになるだろう。

次ページ 「企業がスポンサードする巨大ブースに注目」へ続く

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