#SXSW2017 怒涛のアクセラレーターピッチは、5つの評価軸に注目

濵本智己
JWTジャパン  Communication Design Director

大学卒業後、デロイトトーマツコンサルティングに入社。ビジネスコンサルタントとして、公共交通機関や家電量販店、食品メーカー等のコンサルティング業務に携わる 。2007年に外資系広告代理店に入社後は、ストラテジックプランナーとして、日本マクドナルド、BMW MINI、NIKEやPUMA等のコミュニケーションプランニングを担当する。2016年より、ジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパンに参画。戦略のわかるクリエイティブとして、コミュニケーションストラテジーからクリエイティブまでを一気通貫してデザインするハイブリッド型プランナーとして活躍。

 


SXSWは最新のテクノロジーやビジネスアイデアの見本市として知られていますが、中でも「アクセラレーターピッチ」と呼ばれるイベントは、新進気鋭のテックスタートアップたちが2分間のエレベーターピッチを通してビジネスアイデアを競い合う、SXSWのひとつのハイライトと言っても過言ではありません。

このピッチでは、以下に挙げる5つの評価軸で審査員たちが審査を行います。アイデアの良し悪しだけではなく、ビジネスモデルとして機能しうるかどうかを厳しく審査されているところに、当然なのですが広告界のアワードとの大きな違いを感じました。

  1. Creativity of Idea
  2. Business Potential
  3. Goodness of Product/Service
  4. Functionality
  5. Team

本日(現地時間11日)は、2日間に渡って行われるアクセラレーターピッチの初日でした。朝から晩まで続くイベントなので、正直まだ消化しきれていないのですが、個人的に印象に残ったいくつかのビジネスアイデアを早速ご紹介したいと思います。

◆SPLT / Transportation Technologies

Uberを筆頭に、ライドシェアサービスはすでに日本でも広く認知されるに至っていますが、SPLTは「会社の同僚との相乗りマッチングプラットフォーム」というちょっとユニークな発想を採っています。

ストレスの多い毎日の通勤を、同じ会社の同僚と相乗りすることで、会社と社員の双方にとってさまざまなベネフィットをもたらすことができるという点を強調していました。

たまたま同じ方向に行く得体の知れない人と相乗りするよりも、気心の知れた同僚のほうが安心。また、通勤時間を活用し、朝活のような形で部門をまたいだ社員間の交流や教育を実現することを想定しているようで、確かにただのライドシェアサービス以上の価値を生み出せそうな気がしました。

彼らはSPLTを企業の福利厚生として利用してもらうことも視野に入れており、このサービスを自走させるために、Uberの競合であるLyftとすでにパートナー契約を結んでいるそうです。日本の通勤事情は周知の通りなので、日本でもこういったサービスが会社の福利厚生として利用されるようになれば、嬉しいですよね。

次ページ 「◆ENVY / Social & Culture Technologies」へ続く

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