堀田有香
アジアクリック インドネシア担当
2014年よりインドネシア人との結婚を機にインドネシア・ジャカルタ在住。旅行好きで、これまでに30カ国以上を訪れ海外生活4カ国13年目突入。アジアクリックでは、ASEANと東アジア各国の現地特派員と共に日本とアジアの現地消費者が 。「知り合う・繋がり合う・うまくいく」コミュニケーション方法を主にSNSを通じて提供している。
インドネシア発のJ.CO Donuts & Coffee(以下、J.CO)が2016年11月に香港に進出して以来、大きな話題を呼んでいる。その人気の理由はSNS戦略を見るとよく分かる。
進出してまだ約4ヶ月にもかかわらず、Instagramのフォロワー数は1600人、Facebookの「いいね!」は3200以上ある。FacebookやInstagramなどのSNSは世界中の人にとって生活の一部となっているが、香港も例外ではない。オシャレな写真をアップし、SNS上で写真やメッセージを投稿し、友達同士でコメントをし合っている。
香港のラグジュアリーニュースメディアであるLifestyleAsiaによると、香港において2016年最もInstagramで取り上げられた食べ物ランキングで、J.COが5位にランクインしている。
その人気の理由は何なのか。BBCは3月1日のニュース番組で、J.COが人気になった理由は、そのユニークな商品名とフォトジェニックなデザインのドーナツであると紹介した。
まず、ネーミングから見てみよう。J.COのドーナツは、レオナルド・ディカプリオをもじった「AVOCADO DI CAPRIO」やジャッキー・チェンをもじった「JACKY CHUNK」などのように、著名な映画スターを連想させるようなユニークなネーミングが特徴だ。
また、カラフルなゼリーやクリームで彩られたミニサイズのドーナツは、「snap-worthy」(意訳すると、スナップショットしたくなる)と言われ、思わずSNSに写真をアップしたくなるような見た目をしている。
続けてBBCは、マスターカードのリサーチ結果を引用し、香港はアジアで最も外食にお金をかける都市であることが分かったと述べた。飲食店に限らず、ビジネスを海外展開する際には、先進国から新興国へ進出していくのが一般的だが、J.COはインドネシアから香港へ、つまり新興国から先進国へ進出している。
飲食業の競争率が高い香港でインドネシア発のチェーン店のドーナツ屋が成功しているのは、フォトジェニックな商品と名前のユニークさをうまく利用したSNS戦略に理由があったと言えそうだ。