来場者とのやりとりを通じて、プロダクトやサービスの課題を見つける
私が滞在していたSXSW会期前半はカンファレンスの開催期間で、多くのスピーカーによるセッションが毎日開催されていました。その中で特に面白かったのは、注目度が高いスピーカーとしてSXSWによって選出された、大阪大学・石黒浩教授とNTT・東中竜一郎さんのお二人に加えて、二体のアンドロイドが登壇した「Humans and Robots in a Free-for-All Discussion」でした。
タイトル通り、セッション時間の多くがアンドロイド同士、あるいは人間とアンドロイドの会話で進行し、会場は大いに盛り上がりました。
このセッションからは、ロボットが私たちの生活においてより身近になった今、人は彼らとの対話を通じて、人間自身をもっと深く理解できるようになり、進化もできるという示唆を強く受けました(4月、こちらに登壇した「アンドロイドルU(ユー)」に会えるイベントが日本で開催されます)。
話はTRADE SHOWに戻りますが、来場者は「今までに見たことがない面白いもの」を純粋に探しに来ていると感じました。したがって、プロダクトとしては未完成でも、たくさんのWOWを獲得している展示例をいくつも見ました。
手前味噌ですが、私たちのブースでも、猫背改善を促すカチューシャ型 IoT デバイス「Neko Electro」、服が生きているように動き、 洋服に新しい価値観をもたらすハンガー「+move(プラス・ムーヴ)」という2つのプロダクトを紹介しました。
完成度が高いプロダクトではありませんでしたが、視覚的な楽しさに加え、開発した東京大学の学生の皆さん自身が懸命にコンセプトをプレゼンし、多くの来場者の共感を生み、たくさんのWOWと笑顔を獲得していました。
今回の私たちのように、VRやIoTを使った、五感に直接訴えかけるコンテンツの場合、日本国内の展示会よりもノリが良い来場者のダイレクトな反応を得やすく、インタラクティブなコミュニケーションを通じて、そのプロダクトやサービスの課題を見つけやすいと思いました。2年前イメージした「展示者として参加したほうが、得るものが大きい」を実感できたSXSWでした。