4つの画面を活用して3Dトリックアートを実現―資生堂「マジョリカ マジョルカ」 サイネージ企画の舞台裏

その場限りの希少性こそ話題を広めるエネルギーに

「マジョリカ マジョルカ」の今回の企画は、丸ノ内線新宿駅構内のデジタルサイネージ“専用”とでも言うべき表現だった。ひとつの素材を多くのメディアで使い回せるほうが、効率は良さそうだ。小助川氏はどうとらえたのか。

「個々のメディアに最適化すると、体験に希少性が生まれます。希少性があるからこそ、メディアの注目を集められたり、口の端にのぼりやすくなったりするわけです。また、こうした『その場かぎり』や『二度とできない』といった要素をうまく用いると、ターゲットにも深い印象を残すことができます」

ひところに比べ、街で目にするデジタルサイネージは増えた。その分、ただ映像を流すだけでは、視線を集めづらくなった側面もあるかもしれない。しかし、とメトロ アド エージェンシーの井上達也氏は言う。

「テレビCMをタテ型画面で流すというケースが主流だが、注力する先がしだいに表現手法のほうへシフトしていくのではないか。個々の場所に応じたコンテンツ制作は、労力の要ることではあるが、今回の事例は、デジタルサイネージならではの表現への第一歩となったのではないかと思います」

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愛用者から評価の高いパッケージ(写真右下)との出合いが今回の企画の要点。柱を飛び回る「マジョリカ バード」のスピードも、現場でテストし、完成度を高めた。「マジョリカバード」が届ける手紙には二次元コードが表示され、特設サイトに誘導する(同右上)


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