3.反論をするときは常に「数字」を使う
人は常に証拠や事実としての「数字」を求めています。どんな事実でも計測可能な数字として示すことは、もっともらしいことのように感じます。「昨日」とか「今」とかいうより、2017年4月23日とか、11時20分などと言い換えるだけで事実としての意味を帯びてきます。
特に議論で反論された場合は、切り返しとして必ず数字を用いて言い返しましょう。数字を特に強調して言うと効果的です。
上司:「そういう意見ではみんな動かないよ」
あなた:「10人のうち8人が反対したからといって、2人の少数意見が間違っているとは限らないと思います。残りの20%が全体の80%を代表していることはよくあることではないですか?」
4.行き詰ったら、とにかく細かい点にこだわる
プレゼンテーションで数字とともに多用されているのはグラフです。その目的は、細かいポイントをクリアにするためです。すなわち、あえて視点を狭めて特定の課題に焦点を当てることは、「頭のよさ」をうまく示していることになります。
会議や議論で行き詰った場合には、細かい点にこだわりましょう。そういう切り替えや視点を狭めることで話が進みやすくなります。
同僚:「この議題はもう十分話し合ったのでは」
あなた:「いや、話し合った内容を細かく分けてそれぞれに見合った結果が出ているか整理してみよう。一つひとつを吟味すれば、まだ考えられることはあるはずだ。」
5.「逆に考えれば」といって結論を印象付ける
映画でも印象に残ることをうまく設計するためには、最初と最後が肝心です。特に、会議や議論の場で最後に何を言って締めるかで、参加者の印象が左右されます。
もし自分以外の他人がその結論や総括を買って出た場合、そこに「逆に考えれば」と付け加えて、その結論の別の視点を提供することで、何も新しいことを言ってないのに、さも結論は自分が考えたように聞こえます。
スティーヴン氏が言うように、人は人生では常にドラマティックな展開を求めています。「逆に考えれば」ということで、うまくその期待に応えましょう。
上司:「では結論としては予算を見直すという方向にします」
あなた:「逆に考えれば、見直すのはこれからということですね」
以上、簡単ですが、マーケターが示すことのできるスマートな振る舞いのヒントをご紹介しました。
これらは必ずしも、思うような結果をもたらさないかもしれません。ですが、頭が良いと思われる人が、いったいどんな「形式」を持っているかという視点で考えることは、とても知的でインテリジェントなことです。
そして、それが面白いと思える「あなた」は、既にスマートなマーケターとして振舞っているはずです。