メールを送る感覚でDMを活用
藤堂:私は富士フイルムのデジタルマーケティングに特化したグループにいて、近年ではフォトブックやフォト関連グッズなど、ネットプリントサービスを提供するECサイトの運営なども行っています。
そこではメルマガなどオンライン施策を中心にコミュニケーションを推進しているのですが、メルマガの受信を可としていても開いていない層、そもそもメールを拒否している層が多くいることに課題を感じていました。
普段デジタルマーケティングを駆使して30種類ほどのメルマガを送り、随分費用と時間を割いていますが、メールが拒否されている状態では何のアプローチも届きません。そんな状況下でプロジェクトに出会い、オンライン施策ではリーチし得ない層にDMという“フィジカル”な方法を使った2つのテストを実施することにしました。
大木:1つは、オンライン施策はリーチしないけど、サイトに訪れ商品を購入してくれる優良顧客に向け、お礼の気持ちを込めてアプローチし、クロスセルを狙っていくもの。
2つ目は、年賀状作成の時期に新規顧客となりながら、それ以降コミュニケーションを届ける術がないお客さまにDMで情報を伝えて、「2回目」の利用を促すことを目指したものです。
Sansanさんの実験の時に構築された仕組みをベースに考えつつ、DMに個別のURLを発行して、アプローチするとLPページの方できちんとセッションが取れるような形にしています。
藤堂:また、今当社ではハドゥープ*を利用して膨大なデータを瞬時に分析できる環境をつくっています。
*ハドゥープ:データを複数のサーバに分散し、並列して処理するミドルウェア(ソフトウェア基盤)
このハドゥープの環境とマルケトさんのMAの仕組みを利用して、購入完了までを丁寧にアナログとDMを掛け合わせてアプローチをしていこうと実際に実験を続けていて(図2)、現時点ですでに利益が生まれてきている状況です。
小関:カスタマージャーニーの中で、ユーザーに合ったタイミングで「アナログ」「デジタル」それぞれの顧客接点を通じてお客さまとコミュニケーションを取ったことが成果につながっているのだと思います。
鈴木:DMって古いイメージを持たれがちですが、新しい戦法でもあると思うんです。昨今のデジタル技術と環境の進展によって、より緻密なターゲティングと適切なタイミングがわかるようになりました。
しかもMAなどの新たなデジタルツールによって、メールを送るのと同じような感覚で簡単に送れる仕組みが構築されている。そうした点を踏まえ、いまコミュニケーション施策の中のひとつのツールとしてDM活用に取り組まれる企業が増えているのだと思います。
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