現役、監督時代にカメラの前でムスッとしていた本当の理由(ゲスト:篠原信一さん)【前編】

現役、監督時代にムスッとしていた本当の理由

澤本:篠原さんって今、何歳でいらっしゃるんですか?

篠原:44歳です。大学卒業した95年に僕はすぐ結婚したので。現役時代は愛想が悪い、常にムスッとしているイメージで、監督時代も常に怒ってるようなイメージなので、心優しき篠原信一をみなさん知らないんですよ。

澤本:選手の頃は本当にムスッとされてたんですか?

篠原:してましたね。でも、それは柔道を一緒に練習する仲間に対してではなくて、マスコミやまわりに対してですね。「調子はどうですか?」「メダルの色は?」と毎回聞くんです。だから、「前も言ったでしょ」と。「金を獲る」と言わせたいんでしょうね。もちろん、マスコミの方も仕事なんですけど、毎回聞かれると、もうええわってなってくるんですよ。

権八:そういうことなんですね。

篠原:だからムスッとしたような態度になってたと思うんですけど、そういったところで若干、篠原は本当に協力的じゃないと思われてましたね。

中村:しかし、それは自分のブランドを見せつけたいということではなくて、普通にちゃんとムカついていたということですね(笑)。

篠原:純粋にムカついてましたね。

一同:(笑)

篠原:現役のときなんて、自分や野村、井上現監督も同じ合宿をして、午前中と午後の練習の合い間に公開取材を受けるわけですよ。午前中の練習終わるとしんどいから、時間ギリギリまで寝ておきたい、休みたいというのがあるじゃないですか。ところが公開取材が入ると、1時間半前ぐらいに起きて、道場に行って、取材を受けるんです。寝る時間も少なくなるじゃないですか。

だから、本当に面倒くさいと言いながら、自分や野村が行くわけですよ。そのときはムスッとした顔で道場まで行くんですけど、自分は最後までそれを崩さなかったんです。邪魔くさい、しんどい、休みたいのに、毎回毎回嫌やと言いながら行ってるわけですよ。野村なんてもっと寝起き悪いから、もっとムスッとした顔で一緒に行くんですけど、自分は道場に着いて取材されるときも非協力的な顔のままで。

一同:(笑)

篠原:パッと横を見ると、野村が爽やかな顔して答えてますよね。そういう意味では、野村は大人としてしっかりした態度を取ってる。でも、篠原は態度悪いと。協力的じゃないなと思われたかもしれません。ただ・・・。

権八:ただ?

篠原:人間的にはどっちが本当に素晴らしいのか?

権八:知らないですよ(笑)。

澤本:片方はちょっと偽りの顔ということですよね。

篠原:そこをみなさんはしっかりと見ておられない。

一同:(笑)

篠原:結局、人を見た目で判断している節がある。

権八:でもね、今やだいぶムスッとした怖い篠原さんという感じじゃないですよね。

篠原:そういう意味では、現在は柔道を辞めて、新たな場に呼んでもらえて。呼んでもらっている手前、しっかりとお答えしないといけないなと。お金もいただいてるわけですから、しっかりと演じないといけないと。

中村:演じてるんですか(笑)?

篠原:まぁ楽しくできるように心掛けてますけど。

権八:なぜ銀メダルまで取って、全日本の監督までやられて、芸人に転向したんですか?

篠原:ちょっと待ってください(笑)。芸人を否定してるわけじゃないんですけど、逆に芸人さんは私はなれないですよ。みなさん頭がいいですもん。色々勉強しながらネタを考えながらやってるわけじゃないですか。私、そんなこと一切できないので、そういう意味では絶対に私にはなれないなと思ってます。そうではなく、普段通りの私を出せばいいという感じであれば、私にもできるということでやらせてもらってるんですけど。

澤本:最初に普段通りの姿を出すきっかけになったのは何ですか?

篠原:柔道を辞めてから最初に呼ばれた番組は、「あの人は今」的な番組で前日本監督をしていて、その後何してるんだという感じで出してもらって、そこからですね。篠原はテレビ出るんだ、ということで、オファーがぽつぽつ来だしたのは。

澤本:最初のときに面白いお話をされたんですか?

篠原:いや、特にはしてません。普通に「今何してるんですか?」「〇〇してます」という感じで。そこから興味本位で呼んでもらえたのがはじまりだと思いますけど。

権八:何でもやるじゃないですか(笑)。これはりゅうちぇるですよね?

篠原:はい、これも基本的にはいただいた仕事はしっかりやらせてもらうんですけど、何かのイベントのときにこういう格好をしてくださいと来るわけですよ。このときも初めは道着で出てくれっていう話だったんです。ところが話が変わって、こっちになったと。

中村:変わりすぎですよ(笑)。

権八:ハメられたんですか(笑)?

篠原:ハメられたというか、一応引き受けた以上は今さら、あれ嫌だ、これ嫌だと言ってると面白もないですし、わかりましたと引き受けて楽しくやったほうが次にも繋がるかなと。

権八:もちろんそうですよね。

篠原:ただ、この格好を今できるかと言われたらできませんよ。

権八:やってるじゃないですか(笑)。

篠原:これは仕事でね。普段はね。

中村:『進撃の巨人』のラスボスみたいのもやってましたよね? 超大型巨人みたいな。

篠原:進撃の巨人はキャラに合ってるからまだいいじゃないですか。りゅうちぇるはちょっとちゃうでしょ。これもイベントをしたんですけど、イベントに全然関係ないやんという。

一同:(笑)

権八:関係なかったんですか? りゅうちぇるさんが出るイベントでもなくて、原宿系のイベントでもなくて。

篠原:はい、何のイベントか忘れましたけど、基本的にりゅうちぇるの格好じゃなくてもいいんじゃないのという。この格好をしてくれということで、わかりましたと。そりゃ実際は嫌ですよ(笑)。嫌ですけど、せっかく仕事するに当たって、嫌そうな顔をするより、楽しそうにしていたほうがみなさんwin-winで喜ぶじゃないですか。

中村:素晴らしい。

権八:進撃の巨人のあのメイクのときは嫌だったんですか?

篠原:逆に進撃の巨人のときは、もう俺にピッタリやとノリノリでやりましたから。あのメイクも特殊メイクじゃないですけど、本当にスプレーでシューッと色を塗ったり。本格的にやったので新鮮でしたよ。まず顔にメイクすることがないでしょ。

次ページ 「篠原さんは「ストリングゼロ」CMの隠れコンテンツ?」へ続く

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