1. AIがあらゆるところに(AI EVERYWHERE)
<要点>※SXSW公式サイト 本文引用
「人工知能は、未だ発展途上のテクノロジーではあるものの、人工知能に沿ったアプリが続々と開発されていることで、至るところで接触するようになった。人のしぐさを認識するインターフェイスや、感情認識を用いて精神ケアをするBotのような専門的なアプリなどのように日常的に扱うものから、より正確性を増した巨大な未来予測モデリングプロジェクトにまで幅広くAIは用いられている。これらの発展による影響は、ベーシックインカムのような抜本的な政策移行によって人々に受け入れられるようになるのだろうか」
まさに「AI」は、今年のInteractiveの代表的なトレンドの一つであり、「Interactive Innovation Award」におけるBreakout Trendも、「Deep Machine Learning」と発表された。
この分野においては、私たちがオーガナイザーとして関った、大阪大学・石黒浩教授とNTTシニアリサーチサイエンティスト・東中竜一郎氏によるセッション「Humans and Robots in a Free-for–All Discussion(人間とロボットが自由に話し合う)」において、AIロボットと人間との対話を支える大阪大学とNTTの技術が、大きな注目を集めた。
ロボット同士が主導する議論に人を巻き込むことで、納得しやすい形の対話を展開するシステム(大阪大学)では、人間の本質を探る哲学的なテーマが話された。一方で、人間の発話内容を聞き取り、互いの意見を交換をしながら合意形成を行うシステム(NTT)では、「ラーメンと寿司、どちらが好き?」「住むなら東海岸か西海岸か?」といった日常的な会話が交わされ、ウィットの利いた対話の様子に、会場から驚嘆のどよめきが起こった。
その他にも、AIそのものの中身や発展については、Zoic Labs/StudioのSaker Klippsten氏による「Can a Film Made by a Machine Move You?(機械によってつくられた映画はあなたを感動させることができるか)」、Intelligent Future ConsultingのRichard Yonck氏による「The Future of Emotional Machines(感情を持つ機械の未来)」、Leade.rsのLoic Le Meur氏らによる「Inside Bot(ボットの中身)」など、数多くの興味深いセッションがあった。
さらにMicrosoft Research のKate Crawford氏による「DARK DAYS: AI and the Rise of Fascism(不遇の時代: AIとファシズムの高まり)」においては、自律システムがすでに、医療と教育から刑事司法と法執行まで、あらゆる重要な社会機関にすでに導入されており、AIが日常生活への展開可能な技術レベルに到達するにつれて、白人ナショナリズムと右翼権威主義の台頭が見られていることに言及。AIや機械学習がブラックボックスの中で、監視、嫌がらせ、抑留、追放のためにシステムに使用されうる可能性、脆弱で疎外されている社会集団をどのように守ることができるかといった問題について発信した。