5. スタートアップの治世(STARTUPS REIGN)
<要点>※SXSW公式サイト 本文引用
「世界中、かつほとんどすべての産業、ますます多くの業種において、スタートアップが活躍し、スタートアップの手法が取り入れられ、ハッカソンや企業のインキュベーターの力により、イノベーションを加速させている。選択肢やソリューションは失敗を恐れることなく即時に試されていく中で、小さく革新的なプロダクトは急速に成長する。組織構造は仕事場の透明性向上に伴ってよりフラットになってきたことで、人事の社員評価もそれに適応し、量的評価よりも質的評価に重きを置くようになってきている」
スタートアップのセッションに関しては、「Accelerator Award」などのピッチセッションと合わせて、SXSW Interactiveの真骨頂であり、今年も多くの注目すべき技術が発表された。
中でも筆者が注目したのは、投資家であり「第三の波:未来の起業家のビジョン」の著者でもあるSteve Case氏と、GEの副会長Beth Comstock氏によるFeatured Session「A Preview of Navigating a Rapidly Changing and Connected World(変化の早いコネクテッド世界を案内する)」だ。
セッションの中でSteveとBethは、「第三の波は、『さまざまな分野が結合し、シームレスになる時代』であり、従来とは全く違った戦略(playbook)が必要とされている」と延べ、「その戦略で重要な要素となるのが、IoTとAIである。IoTにより、あらゆるモノからデータを収集することができ、我々の生活における生産性と効率性の向上が可能になる。そしてAIによって、モノは賢さも身につけ、適応力やパーソナライズ性などさまざまな能力を持つようになるだろう」とした上で、本章のテーマであるスタートアップについても、「さらに第三の波では、大企業とスタートアップ企業のパートナーシップも顕著となる。GEもテクノロジーをオープンソース化することで、スタートアップとの協業に積極的に取り組んでいる。近い将来、小さな資本でも多様な人々が集まりアイデアを創出し、それが自然とスケールされていくという創造の形が当たり前になってくるのではないだろうか」と締めくくった。