6. テクノロジーとマーケティングの融合(THE TECH AND MARKETING MARRIAGE)
<要点>※SXSW公式サイト 本文引用
「マーケティング産業がビッグデータの進化を取り入れようと必死になるとともに、シリコンバレーのすべての道はMadison Avenueへとつながっている。大企業はテクノロジー主導の企業としてブランドを再生し、データ収集が提供するファンや消費者の生活習慣に通ずる深い洞察を活用しようと取り組んでいる」
最後は「アドタイ」の読者の方が最も興味のあるところの、マーケティングの進化についてだ。数多くの「モバイル」「広告ブロッカー」「ブランデッドコンテンツ」などのセッションの中で、特に筆者がお勧めしたいのが、Google ATAPテクニカルプロジェクトのリード Ivan Poupyrev氏とリーバイ・ストラウスの革新担当VP Paul Dillinger氏によるFeatured Session「Beyond the Screens: the Ubiquity of Connectivity(画面からの脱出:どこからでもアクセス可能なコネクティビティ)」だ。
同セッションの中でPoupyrevとDillingerは、「Google Levis Jacquard Project」について、次のように述べた。
「リーバイスはアパレル企業ではなく、テクノロジー企業である。ジャガードジャケットは、いわゆるアートプロジェクトやコンセプトワークとは異なり、商品として販売できるようユーザビリティを追求している。デニムジャケットは仕事にもパーティにも、シーズンに限らず日々の生活で多くのシーンで着られている。衣服は元来、社会と対話するデバイスだ。サイクリストを衣服によってスマートフォンから解放することを目指した。ジャガードジャケットは大量生産を可能にすることを目指し、未来研究所のようなフューチャリスティックな場所ではなく、リーバイスが通常の生産ラインとして使用している工場で開発されている。他のウェアラブルデバイスにはデータを測定・収集することに長けているものもあるが、ジャガードジャケットはそれだけにとどまらず、ユーザーに対して対話的で実用的なフィードバックを提供できるという意味で革新的だ。
ユーザーがこの衣服を使用し、新たな体験のアイデアを考え、つくり出すことを期待している。ジャケットのインターフェイスは見た目にはわからないほど、自然に埋め込まれており、人の生活に違和感なく溶け込むことができるウェアラブルデバイスだ。スナップボタンや、ジッパーなどのパーツは取り替え可能であり、アプリケーションのようにアップデートして新たな機能を加えることができる。また、人々が毎日着られる服としてのデザイン性を担保することも重要だと考えている。グーグルは新たなブランドとの協業も検討しており、このマーケット自体を成長させていくことを考えている」。