イタリアのプレミアム・カジュアル・ブランド「DIESEL(ディーゼル)」は4月13日、グローバルで展開するSPRING SUMMER 2017の広告キャンペーン「MAKE LOVE NOT WALLS(壁を築くのではなく、愛を育もう)」のコンセプトを、日本の現状に照らし合わせ問題提起するショートムービー「THE WALLS」を公開。ジオメトリー・グローバル・ジャパンが制作を担当した。
DIESELのアーティスティック・ディレクター ニコラ・フォルミケッティ氏は今回の広告キャンペーンについて、「愛と共生は、僕たちみんながそこで暮らしたくなる社会、そして僕たち全員にとってふさわしい未来を創造する上で、不可欠なもの」と語り、愛を阻むさまざまな壁を乗り越えることの重要性を訴えている。
「THE WALLS」は日本オリジナルで制作されたムービーだ。ムービーでは、過労や、タトゥー、同性愛などへの偏見、孤独など、日本の社会問題に焦点を当て、壁を築いている事実が映し出されている。
ディーゼルジャパン 常務執行役員 広報宣伝本部 本部長の加藤 仁氏は、「日本で展開するにあたり、最初に考えたのはやはり日本のマーケットに則した形で発信することの重要性でした。メッセージ性が高ければ高いほど、ローカルの現状を踏まえた上で発信しなければ多くの人々の理解、共感は得られません。また、共感を得られなければ、メッセージは伝播しません」と、日本でカスタマイズ展開する意義を述べる。
また、本ムービーではDIESELのエージェントが起こす「小さな変化」でその壁を壊し前向きに生きる様を描いた。
「表現されているシチュエーションは、どれも我々の日常に潜む『壁』を象徴しています。さまざまな壁が社会の中に姿を隠しながら存在していますが、小さな変化でその壁は取り除くことが可能で、誰もが個性を発揮し、愛し合える未来はすぐそこにあることが伝わるような表現を心がけました」と話すのは制作を担当したアソシエイト・クリエイティブ・ディレクターの有川氏。
「今回の取組でチャレンジングだったのは、いかにグローバルキャンペーンのトーン&マナーを維持しながらローカライズ展開するのかという点でした。これについてはかなり多くの時間を割いてジオメトリーチームと協議しました。時間的余裕がない上、当初の方向性から大きく変更が入り苦労は多くありましたがクオリティ高いアウトプットになったと思っています。弊社の意向や考え方を良く分かっている、理解出来るメンバーをアサインしてくれたので非常にやりやすかったです。大変でしたけど一緒に仕事していて楽しかったです」と、ディーゼルジャパン 常務執行役員の加藤氏は、ジオメトリー・グローバルとのコラボレーションの感想を述べた。
さらにECDの三寺雅人氏は、「常に社会に鋭いメッセージを投げかけてきたDIESELのクリエイティブに携わることができたことを嬉しく思います。多様化する『愛』の存在について未だ目に見えない壁が存在する日本。このムービーが対話を生み、前向きな変化につながるキッカケになればと思っています」とコメントした。
ジオメトリー・グローバル・ジャパンはこのムービー制作のほか、DIESELが協賛する自分らしく前向きに生きる社会を応援しサーポートするイベント「TOKYO RAINBOW PRIDE」でのDIESELのイベントアクティビティーを担当している。「TOKYO RAINBOW PRIDE」は5月6~7日に東京・代々木公園で開催され、パレード&フェスタを通して「MAKE LOVE NOT WALLS(壁を築くのではなく、愛を育もう)」というメッセージを訴える予定だ。
スタッフリスト
- 企画制作
- ジオメトリー・グローバル・ジャパン合同会社
クライアントディーゼルジャパン
- ECD
- 三寺雅人
- ACD
- 有川泰志
- SAD
- 諸冨祐介
- ジュニア プランナー
- 遠山啓一
- EPR
- 井田英樹、加藤久哉、Peter Grasse
- SAD
- 木谷謙介
- プロダクション
- Aoi Pro. + Dictionary Films Tokyo
- クリエイティブ・スーパーバイザー
- Ryan McGuire
- 演出
- Connor Gilhooly
- 撮影監督
- Ivan Kovac
- ポスト・プロダクション
- Cutters Tokyo
- 編集
- 水谷アキ
- カラリスト
- 亀井俊貴
- ビジュアル・エフェクト/編集(オンライン)
- 安田雄策
- 音楽
- Primary Colors