川崎フロンターレ 事業推進部 広報グループ 吉冨真人氏
GIFMAGAZINE 代表取締役社長/CEO 大野謙介氏
「試合観戦」以外の接点をつくり、ファンとの関係強化に努める
「クラブの考えや活動を知ってもらうことで、愛着や親しみ、誇りを持ってもらいたい。好きになってもらえたら、家族や友人、恋人など大切な人を誘って、スタジアムに来てもらえると思うんです」–そう話すのは、J1クラブ・川崎フロンターレの広報を担当する吉冨真人氏だ。この考えの下、同クラブはかねてからイベントを中心としたプロモーションに力を入れてきた。
川崎浴場組合連合会、日本相撲協会、そしてNASA……一見サッカーとは縁遠く見える団体ともコラボレーションしながら、「試合観戦」以外のサポーターとの接点を積極的につくり、コミュニケーションをとってきた。
「もちろん、最終的なゴールは試合を観戦してもらうことですが、まずはクラブのことを知り、親しみ、関心を持ってもらうことを重視しています。『選手がユニフォームを着てピッチを駆け回る姿』だけではない、別の側面を見せたい。サポーターの一人でもある私たちWeb担当スタッフが『見たい!』と思えるコンテンツを、他のサポーターにも共有したいという思いで取り組んでいます」。
そうした地道なファンとの関係構築の一環として、同クラブは近年、デジタルを活用したコミュニケーションにも注力している。
「ソーシャルメディアが浸透した今の時代、やはり口コミによる情報拡散力の強さは無視できません。また、サポーターがどんなことを求めているのかということ、クラブが発信した情報・コンテンツに対してサポーターがどう反応したかといったフィードバックが得やすいことも、デジタルコミュニケーションを重視する理由のひとつです」(吉冨氏)。
そうした中、フロンターレが2016年のエイプリルフールに公開したGIF動画が、同クラブのサポーターをはじめとするサッカーファンの間で大きな話題となった。クラブ創設20周年という節目の同年、吉冨氏の「エイプリルフールをファンと一緒に盛り上げたい」という要望を受けてGIFMAGAZINEが制作したのは、フロンターレの選手をモデルにした武士が蹴鞠に興じる様子を描いたGIF動画だ。
「実は20周年ではなく、200周年でした!」というネタを提供し、GIFMAGAZINEサイト上での再生回数は84万回、Twitterでのリーチはのべ480万人、RT数は4000件を突破したほか、「動画に登場する選手の再現性が高い」「フロンターレらしいユーモアが素敵」といった好意的なコメントが多数寄せられた。
GIFMAGAZINE 代表取締役社長の大野謙介氏は「サッカーとGIF動画は、『スマートフォン上でリッチな映像コンテンツを見る』体験という点で共通しており、両者の相性は良いと考えていました。川崎フロンターレは、数あるクラブの中でも、デジタルを含む先進的な取り組みに前向きなクラブだと聞き、GIF動画を使えば必ず力になれると強くアピールしました」と話す。
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